やっぱりラリーが好きなのだっ!〜編集代表のラリーな日々ブログ〜

ハイブリッドはトヨタとWRCの距離を縮められるか?

1月のモンテカルロ生中継のなかで、豊田社長は今の状況について、「もう少し距離が縮まらないと(参戦決定は)困難」という意味の発言をされていました。つまり、この「距離」こそが、まさしくトヨタがこれまでWRCに復活できなかったキーワードになりますが、その距離が縮まらない理由の一つは、現在の車両規定にあります。

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(写真:J SPORTS)

世界のファンやディーラーからトヨタのラリー復活を望む声が上がっても、欧州メーカーの意向が強く反映された今の車両規定では、この距離はなかなか縮まりにくいのかもしれないなあと思うんですよ。

たとえば欧州自動車メーカーは小型直噴+ターボが主力商品で、いまのWRカーや次世代のR5にしてもそれをベースとして技術規定が組まれていますが、ハイブリッドによるエコ路線のトヨタは商品戦略が異なるため、そういう点でもWRCとは距離がかなりあるのかなあ、という気がするんです。

昔でしたら、日本で発売されてないカローラでWRカーを作ることも許されましたが、今はもうそのような時代ではないのでしょう。VWがグローバルマーケティングサイドからの要望としてパドル・シフトのWRC導入を提案したという本日のニュースがいい例かもしれません。

マーケティングの観点としては、日本だけではなく、欧州を含めて広く世界でトヨタの存在感を認識させることが可能で、さらに販売商品が技術規定でもぱっきりピントが合えば、そのときこそトヨタとWRCの距離はゼロに近づくのかなと思います。たとえば、ハイブリッドが2017年からWRCに導入される、とかね・・・。

もっとも以前に比べれば、FIAが新しいWRカーの目玉技術としてハイブリッドには注目していないとの話もあります。それはハイブリッドがラリーに不向きな技術であるからだとか。たしかに数年前、トヨタのエンジニアの方から、「ハイブリッドはルマンとかはいいけどラリーのようにタイヤが空転する競技では回生が困難」との発言を聞いた記憶があります。しかし、私はいまでも技術には不可能はないと信じています。ぜひとも世界ラリー選手権でそれを実現させてほしいと願っています。


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