水道橋にあるトヨタ自動車の東京本社には、夕刻のころの社員さんの憩いの場所といいますか打ち合わせと称して軽くお酒を飲むことができるスペースがあるのをご存じでしょうか。
予約さえすれば社員以外の人でも利用できるというので、さっそくトヨタワークス純正・芋焼酎、その名も「豊田の鼓動」をボトルキープしてきました。
さて、お酒が少しまわった頃合いをみて、すこし聞きにくかったラリーに関する最新の動向について聞いてみたところ、社長が無類のラリー好きだということが、社員の人たちにもぼんやりと伝わりはじめているとのお話でした。しかし、「トヨタはWRCをやらないんですか?」という僕の質問に対して、僕は個人的にはいいなあーと思うんですけどね〜という反応をしていた社員の方が、「ヒュンダイがいつ勝ってもおかしくないですよ」と脅しをいれたところ、初めて神妙に「それは本当ですか?」と腰を上げてくれたのでそのことにすこし驚きました。
世界のマーケットにおいてトヨタは、フォルクスワーゲンとヒュンダイとこれからの10年にわたって避けられないシェア争いをすることになるでしょう、その布石がすでにWRCで打たれていることについては、あまり社内でも認知されていないように感じました。
せっかく入れたボトルも帰るころにはすっかり空になってしまい、天下のトヨタ本社ビルでこんなにも飲んでしまった罪悪感を感じつつ乗り込んだエレベータのなかに貼られていたポスターには、「世界のライバルたちよ、私たちはル・マンに勝利する!」という、なんとも煽動的なキャッチコピーが踊っていました。
そのコピーに、僕は忘れさられていたようなトヨタの熱っぽさを感じたのですが、これはすこしばかり酔ったせいなのでありましょうか。写真もピンぼけですみません。