ちょっと気になる4WD自動車に出会いました。じゃなくて、電動車イスのWHILL。

これを電動車イスと表現してしまうのは、それに代わる、いい表現が見当たらないからなのですが、この車イスを製作しているベンチャーも、これが体に障害をもった人だけのためにつくられたものだとは説明しておらず、すべての人がいつでもどこでも自由に行くことができるようにという願いのもと、「パーソナルモビリティWHILL」と名付けているそうです。

操作はとても簡単。イスに座り、右手でジョイスティックを前押せば前進、右へ倒せば右へ曲がり、左へ倒せば左へ曲がり、微妙な押す量のちがいでスピードや曲がる量をコントロールできそうです。

人混みのなかで短い時間試乗しましたが、回りを歩く人たちは意外に車イスに気付かずにずんずん歩くものですね。こちらが当たらないように避けなければならないシーンがあることに驚きましたが、ジョイスティックは少し練習するだけで、数センチ単位でこちらの思った通りの場所に車イスを動かすことができました。それくらい微妙な操作が可能、本当に思いのままです。

電動式の4輪駆動にくわえて、まるで月面車のような形状をしたフロントタイヤのおかげで砂利道を走ることや、ちょっとした段差を下りることも簡単にできるそうです。最小回転半径も70センチ！ 一回の充電で20km の走行が可能ですから、コンビニどこじゃなくて遠い公園にも行けちゃいます。

もし、僕が事故で右手の親指と人差し指しか動かせなくなっても、これさえあればどこにでも出て行けるだろうと思いました。実際には指も動かなくても、マウスタイプのコントローラーがあるので大丈夫そうです！ ちょっと近未来的な車イスを誰かに見せたくなるかもしれないし、家に閉じこもってないで、きっとどこへでも出かけたくなるはず！

このWHILLというメーカーは日本で誕生したベンチャー。日産自動車や曙ブレーキ、ソニーから飛びだした技術者たちが中心となって開発されたそうですが、これは車イスというより小さな自動車、まさしくパーソナルモビリティといってもいいんじゃないかな。

世界中の人たちがこの乗り物をいつかWHILLと呼ぶ日が来そうな気がしました。