当時、三菱ワークスマシンの開発中枢がおかれた岡崎の乗用車研究開発本部。そのなかにある三菱オートギャラリーが所蔵する、三菱自動車の歴史的名車が現在、本社(港区芝・JR田町駅前)一階ショールームで一般公開されています。
ギャランGTO、ギャラン・ラムダ、ギャランVR−4をはじめ、なつかしいクルマの数々。
久々に見た。初代三菱ランサーエボリューション!
これはランサー大王と同じ色のランエボじゃないですか。まるであのマシンか復活してここにあるのかと錯覚しました。それにしても、なんとコンパクト! こんなに小さいマシンでしたっけか。
その奥にこっそり置かれていたのは、日本初の可変バルブ採用、シングルカムの4G63! しかも、スタリオン4WDターボラリーに搭載されて香港〜北京ラリーを走ったエンジンそのものです。
ターボ制御が難しかったこの時代、ドッカンと扱いやすさを両立させる革新のツインスクロールターボを採用、巨大なタービンと独特な形状の排気口にあわせた太い排気マフラーパイプがただならないオーラをビンビンに放っています!
ショールームのスクリーンでは、三菱がギャランVR-4でWRCに参戦するときのメイキングビデオが流されていました。バタネン、若かったコーワン、今は亡き木全さんの溌剌とした姿も映し出され、なんとも懐かしくなりました。
最後に、ラリーカーとは関係ないけど、奥にあった一台の自転車「十字号」に目が釘付けになりました。
昭和22年に製作されたこの無骨なフレームのマシンは、なんとジュラルミンフレームにリベット留めという零戦の技術で作られているそうです。戦闘機に使われるはずのジュラルミンが終戦で不要になったので、自転車に使われたのでしょうか。昭和22年に大阪〜東京間の600kmで行われた自転車ロードレースに参戦して総合2位になっているそうです。
いやいや、ぜったい無理でしょ、そんなの。東海道なんて半分も舗装なんてされてない時代でしょ、牛革のカチカチのシートで、いったい誰が何日かけて走ったんでしょうか? ケツの皮の丈夫さには驚くしかありません。
三菱岡崎のギャラリーの元館長だった方によれば、会社にはレースの記録もなく、詳細はまったく不明なんだとか。これが三菱の最初の競技になったのかなあ・・・。WRCを去って久しいですが、そんなレーシングスピリットが三菱自動車の原点になっているんですね。
三菱オートギャラリー展は、三菱本社一階ショールームで16日(火曜日)まで無料公開されています。