先週末のWMSC(ワールドモータースポーツカウンシル)でシュートアウトを含む2015年以降の改革案が却下されました。
時間切れで議決できなかったのではなく、この提案は完全に否決されて、WMSCの下部委員会であるWRCコミッションに差し戻しになったというわけです。
本日のニュースで、シュートアウト方式を推進してきた中心的な人物であるVWのヨースト・カピトは、WMSCメンバーを説得しつつ、WRCコミッションからもう一度12月のWMSCに上程し、「2015年の導入を諦めない」と鼻息荒く語っています。
ちなみにWMSCの投票権をもつのは以下の27人。会長代理および副会長はFIA会長が選出するので、攻略は一筋縄ではいかないかもしれません。
FIA会長(1人)=ジャン・トッド
会長代理(1人)
副会長=会長が選出したASN代表(7人)
メンバー(18人)
・ASNの代表(14人)
・国際カートコミッション会長(1人)
・FIAマニュファクチャラーコミッション会長(1人)
・FIAドライバーズコミッション会長(1人)
・F1コンストラクターズグループ会長(1人)
正直言うと、僕はシュートアウトを導入すればWRCの最終日がTVにとってさらなる魅力あるコンテンツになるというプロモーターの考えは安易に過ぎると疑っています。それどころかテレビ中継ありきの変革はラリーというスポーツを歪めることになりかねないと懸念しています。しかし、それでもこれほど危機が叫ばれてきたにもかかわらず、FIAから何のアイディアも方針も出ないまま、WMSCでWRCコミッションの提案がばっさりと棄却されたことは、なんとも残念でなりません。
いますぐ変わらなければWRCを存続できないという認識はFIAにも等しくあったはず。シュートアウトを却下するなら、新しい技術規定を含めた、抜本的なWRC改革案をFIAジャン・トッドには準備してほしかった!
矛盾するようなことを書くようですが、また来年も何一つ変わらないまま新しいシーズンを迎えなければならないことに心底がっかりです。