オジエは今年も強かった。圧巻のモンテカルロ2連勝でシーズンのスタートを切りました。VWが1−2−3です。素晴らしい強さをみせつけました!
しかし、ローブが優勝争いから消えて以降、なんだかラリーから輝きがなくなったような気がしませんか?
昨日からずっと、三日目のロングステージでラトバラがスピンしなければ、優勝争いは違ったものになっていたのだろうか、といろいろ考えてきました。クビサがオジエを1分45秒も上回ったあの51kmのロングステージで、ラトバラはスピンをしながら40秒もオジエを上回ったのです。ひょっとして、スピンさえなければ、オジエの絶対的な安全策に綻びがあったのかも・・・。
今年からスプリットタイムの車内表示が禁止され、ステージによっては思ってもみないタイム差が生まれたことが今年のモンテの特徴でした。しかし、そんなものなくても、今回、オジエにはラトバラのタイムも走りも、そして戦略も全部お見通しだったように思えてなりません。
ドライ・ターマックであれば、最終日に50kmしか残されてなければ、10秒差のマージンさえあれば悠々と逃げ切れるという計算がオジエにはあったのでしょう。でも、それだけであのような優勝争いとは思えないようなスローダウンした走りができるでしょうか?
スタート前から一つだけ気になっていたのが、ラトバラの「僕は4位でも5位でもいいよ」宣言。新しいスターティングオーダーによって、トップスタートの選手権リーダーは確実に不利を被ります。次戦スウェーデンを有利なポジションで走りたかったラトバラに、最初からさっぱり勝つ気がないことなどオジエは百も承知だったのでしょう。そして、たとえ、あのスピンがなくてタイムが数秒差に縮まっても、ラトバラが攻めてこないことをオジエは確信していたのでしょう。
ローブが消えたことが原因ではありません。新しいルールが生んだ見えない戦略になんか違和感を感じるのです。これから先も、「次戦を考えればあまり勝ちたくない」と二人が微妙な計算をはじめたとき、はたして昨年のアルゼンチンやフィンランドのようにガチンコのラリーが見られるのでしょうか?
最終日までぎりぎりの勝負が見たかった! オジエ圧勝というエンディングでありながら、なんとなくモヤモヤするのは、そのせいなのですよ。
モヤも勝利を祝福!(くだらない駄洒落ですみません)