フォルクスワーゲンの新しいポロR WRCが発表されました。フロントはレッドブルーのダークブルーに覆われ、リヤに向かってまるで翼を広げたように、ホワイトへと転じてゆく、なかなか躍動的な素晴らしいデザインへと生まれ変わりましたね。でも、ちょっと気になるのは、ボディから「R」のロゴが消え、大きなVWのロゴに置き換えられたことです。
「R」は、言ってみればBMWにとっての「M」であり、メルセデスの「AMG」のようにVWにとってのハイパフォーマンスブランドとなりますが、ライバルたちに比べると、なかなかメジャークラスに上がれず苦戦していたのをWRC参戦によってブランドとしての世界浸透が期待されてきたわけです。
しかし、2年間で26戦中22勝したのに、「R」が成功したブランドというイメージがいまだにあんまりないというのはどういうことなんでしょうね・・・。
VWにもジレンマはあるかと思います。ハイパフォーマンスマシンとはいえ、そもそもものわかりのいい静かな大人のためのブランドでありますから、BMWのようにプレスラインを変えたり、派手なエアロを装着することは許されてないのだそうです。しかし、ふつうのファミリーカーとまったく同じ佇まいのまま、見た目はバッチだけの違いで600万円のファミリーカーとして売っちゃうのは、ちょっと無理があったようにも僕は感じます。
宣伝するわけじゃないけど、ゴルフRは信じられないほどよく出来たスポーツカーです。乗るとわかりますが、あのボディはまるでロールバーが入って補強された「ラリーカー」ですよ。デルタS4みたいな剛性感あると思いましたもの! 飛ばさなくても、ファミレスの段差を超えただけで、すぐわかりますよ。まるで金庫のようだから! どこ走ってもサスがすごくよく動いてるのがわかるし、まじめに「R」を作ってるんだなーというのが本当によくわかるのです。だけど、そういうのは外からこのクルマを見ている人たちにはわかりにくいよねえ。
まだまだ「R」ブランドへのパッションが世界に共有されてないところで「R」が消えるのは残念だけど、もうちょっとWRCを効果的に使う道はなかったのかな?