ツール・ド・コルスがWRCに復帰して全員がハッピーかと思いきや、やはりそうではなかった。最終戦を失ったERCプロモーターにとっては面白いわけありません。
ERCプロモーターを務めるユーロスポーツ・イベンツは、ラトビアの最中にステイトメントを発表、「過去4年間にわたる我々の努力と多大な投資が無駄にはならず、ツール・ド・コルスがラリー最高峰へ復帰する足掛かりとなったことを喜んでいる」と奥歯にモノがはさまったような表現でコルシカのWRC復帰を祝福しています。
さらにこのステイトメントは、ツール・ド・コルスを主催するASACCとユーロスポーツ・イベンツの間では昨年のイベントに関する財政問題が依然として決着していないと述べており、金銭的なトラブルがあることをほのめかしています。
ラリー・ド・フランスの開催予算総額は200万ユーロ(およそ2.7億円)とされており、その金額はコルシカが運営予算をつくることができずにWRCのステイタスを失った2008年のときの150万ユーロよりさらに増えています。それなのに、コルシカ大丈夫かと正直思ってしまいます。
1月29日にお伝えしたコルシカの地方紙のニュースによれば、今年に関してはコルシカの負担は70万ユーロで残り130万ユーロをFFSA(フランス・モータースポーツ連盟)が補てんする形での運営になるようですが、はたして本当のところはどうなのでしょう。
コルシカのステージはすばらしく最高ですよ! アルザスもよかったかもしれないけれど、ここはまさしくラリーカーの天国です! こんなことがあった後だもの、もうERCには戻れません。うまくいった例がなかった財政的な問題をコルシカ主催者と地方自治体がいかにうまく解決できるか。その道筋をさぐりつつ、WRCとしてきちんと継続できるようにしてほしいものです。
主催者のASACCはさっそく、島の南のポルトヴェッキオから最北端のバスティアを超ロングステージでつないで、さらに伝統的なステージをつないで最終日にアジャクシオまで駆け抜ける壮大なプランを考えているとの噂が漏れだしているようです。今年もまたツール・ド・アジャクシオなんて悪口叩かれましたが、伝統のコルシカが帰ってくること間違いなしです! それだけは信じたいと思います。