やっぱりラリーが好きなのだっ!〜編集代表のラリーな日々ブログ〜

アクシデントをなくすことはできるのだろうか。

メキシコで湖に転落したオット・タナクが、コースのさらなる安全性の確保をFIAに求めています。彼は、ティモ・ラウティアイネンの名前を挙げ、13ラウンドの危ないところを知り尽くしている人間をセーフティガードとして採用すべきと主張しています。
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おそらく、それによって事故は減るでしょう。しかし、今回の事故ははたして起こらなかったでしょうか。

雨がちょっと降っただけで、とても滑りやすくなるコーナーがあると仮定しましょう。いつの時点でそこが危険だと判断するのか、それはとても難しい判断になるでしょう。コースのことをよく知る経験者がセーフティカーとして走れば、クラーク・オブ・コースの補助をうまく果たすかもしれません。しかし、すべての不運な事故を防ぐためには、ありとあらゆる予防措置をそれこそ無限に講じる必要があるでしょう。ステージ全域でそれを実現することは誰でも困難であることは想像できるかと思います。

しかし、事故を防ぎきることはできなくても、事故が起こったとき、あるいは起こったと考えられるときの手順にはまだまだやれることがあるように今回の事故からは感じます。セーフティトラッキングシステムの導入により、マシンが止まったり、コースを外れればすぐにわかるようになったことで、コースの安全性はかつてないほど「見える」ようになりました。今回、マシンが水没したことで、セーフティトラッキングシステムでもタナクに位置を特定できずに一時的な行方不明の状況になったことは想定外の不運としか言えないのかもしれませんが、行方不明という、なにかが起こった可能性が高まったにもかかわらず、ステージをストップさせてセーフティカーが走るまでに15分近くもかかったことには明らかにステージ運営プロトコルの設計ミスがあるように思います。

Mスポーツのチーム代表マルコム・ウィルソンは20分近くもタナクたちの安否がわからなかったことに問題があると考えており、事故の全体像の中で、そのことが最も恐ろしい部分だと憤っていたようです。
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いまのところFIAは新しいアクションを起こす考えはないようですが、このまま問題は調査されないままなのでしょうか? Mスポーツに空輸されたタナクのマシンは、全部のパーツがストリップダウンされて、アルゼンチンにむけて完全なリビルトの作業が始まっているようです。それにしてもドライバーたちにケガがなくてほんとうによかった。しかし、幸運を期待しているままであってはならないように思うのです。


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会議中に湖の写真を探した一日。 »

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