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ミラージュR5はウェールズで実戦デビュー実現?

MパートABの三菱ミラージュR5に関するニュースが先週から連続しています。ノースウェールズ・ラリーのホームページをさきほど確認したところ最新のエントリーリストが公開されており、なんとマーティン・ベルグランドのミラージュR5はカーナンバー5番で登録されていました!

ミラージュR5は2月初旬のスウェーデン選手権への出場をスウェーデンASNに却下され、さらに先週オランダで行われたタンクSラリーのエントリーリストでも100番のカーナンバーを拝受していたわけですが、けっきょくゼロカーとして走ることになりました。
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それでは今週末のウェールズはどうなるでしょうか。

MパートABからは昨年、ベース車両のグループA公認、およびそれをベースにR5ラリーカーに仕上げるためのキットパーツについてのVK(バリアントキット)R5公認にかかる費用等をすべて負担するという条件で、カスタマーへのサービスとして三菱に対してホモロゲーション申請を行ってほしいという依頼をしています。FIA公認はベース車両を製造したマニュファクチャラーしか申請することが許されてないのです。

スウェーデンのASNが出走を承認しなかった理由についてMパートは説明をしていませんが、情報によればロールケージの溶接に原因があったからと伝えられています。ロールケージはクルーの生命に関わるものだけにスウェーデン選手権が慎重な調査を求めたのかもしれません。しかし、いずれにしてもFIA公認のなかでもロールケージはもっとも厳格さを要求されるパーツであり、FIA公認車両に使用されるロールケージについては当然、FIA公認パーツとして認証されていなければなりませんし、かつマニュファクチャラーが製作・販売することを求めています。つまり、FIAはロールケージの安全性と製造責任をマニュファクチャラーに求めているわけです。そして、三菱が安易にプロジェクトにGOサインを出せなかった理由の一つがそこにあるのです。
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FIA公認についてはベース車両を含めれば手続きに関する費用はおよそ数千万円近くになると言われます。手続きの煩雑さやこうした負担の大きさがあるために、マニュファクチャラーとしてはグループR2やR5が魅力的なカテゴリーになるとわかりつつも、なかなか手を出すことができないわけです。しかし、こうした点をうまく解決するものとして、FIA公認でなくてもローカル戦を走ることを認めた、イギリスのパスポートシステムやアルゼンチンのマキシカーが誕生しています。

プロドライブが中国向けに製作したVWゴルフSCRCもその一台です。世界中のローカル戦ではFIA公認の期限が切れたマシンがたくさん走っていますし、FIA公認をもたないマシンが走ることを許しているイベントは数多くあります。ピレリMSAウェールズ・フォレストナショナル選手権のノースウェールズ・ラリーがどのような車検なのかよくわかりませんが、もし今週末、ここでミラージュR5が実戦を走れば、どこか未来に通じる扉が一つ開くことになるかもしれません。


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