サルディニアが過酷すぎると語り、主催者とともにFIAへの不満を述べていたVWのボス、ヨースト・カピト。しかし、WRCマネージャーのミシェル・ムートンがこの批難を一蹴しています。
「長いラリーが嫌いならお家に帰りなさい」(笑)。
さすがでございます。2015年の流行語大賞間違いなしでございます。
1981年のWRCイタリア・ラウンド、サンレモ・ラリーで優勝したことのあるムートンから見れば、たしかにこのくらいでキツイなんて音を上げるなんてだらしないってことなんでしょう。
当時のサンレモ・ラリーはいまと全く異なり、サンレモのターマックと美しい秋のトスカーナのグラベルを舞台にしていました。
彼女がアウディ・クアトロで初優勝を飾った1981年サンレモ・ラリーについてちょっと紹介すると、
レグ1はサンレモを月曜日(!)午後にスタートしてお馴染みの裏山を舞台にした4SS/56km。レグ2は月曜日深夜0時(!)にサンレモをスタート、400kmを移動してトスカーナへ移動、グラベルの14SS/137kmを走って火曜日夕方にピサにゴール。水曜日のレグ3はラリー最長の一日となり、ピサとシエナの間の21SS/238km(!)、朝7時スタートでゴールは深夜0時半ですよ(!)。レグ3は木曜日の午後にシエナの8SS/80km後にナイトホルトを行い、サンレモに移動して金曜日朝にターマックの6SS/80kmを走る合計14SS/130km。最終レグは金曜日22時にスタートするナイトステージ6SS/117kmを走って土曜日朝9時にサンレモでゴールを迎えるというものでした。トータル59SS/752km、総走行距離2792kmですよ! むむ、過酷! 想像しただけで冷汗が噴き出してくるようです。
66台がスタート、完走はわずか26台。もちろんラリー2による再出走なんてなかったですし、走り切ることさえ勲章だった時代です。
それにしても、すさまじい時代でした。よくこんなモンスターイベントでムートンは勝ちましたね!