やっぱりラリーが好きなのだっ!〜編集代表のラリーな日々ブログ〜

380馬力で未来は変わるか。

昨夜メキシコで行われたWMSCで次世代のWRカーのアウトラインが承認されました。WRCの行方を左右するだけに、世界中のラリーファンの誰もが昨夜は朝までこの決定がでるのをいまや遅しと待ったはずです。そして、開けてびっくり、まさかの380馬力です。
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ラリーカーがこれほどのパワーになるのはグループB時代に遡るわけですし、まさしくこれが歴史的な転換点となるのかもしれません。巨大なリヤウィングとパワフルなエンジンの新しいWRカーによってどのような戦いが繰り広げられるのか、トヨタが復帰する2017年からの世界ラリー選手権がいっそう楽しみになったことは確かです。

もっとも、参戦するメーカーが自分たちの主張がほぼ通ったこの新しい規定をそれぞれ歓迎するいっぽう、新規に参入するメーカーが増えてゆくのかまったくわからない以上、これがWRCの変革だとは私には自信をもって言い切れません。エアロが観客にとって新鮮なのは最初の1年目だけでしょうし、ただでさえ似たようなBセグマシンがエアロによってさらに似通ったものになり、ますます外観は市販車とはかけ離れて、もはやバッジ以外では見分けがつかなくなったとしたらどうなるのでしょう。

グループB時代の復活? それはNOです。あの時代が楽しかったのはあらゆることが自由だったからこそであり、パワフルなエンジンの復活だけであの時代に帰ることは不可能だと私は思います。

新しいWRカーが380馬力になることによって、「観客はマシンがドリフトするシーンにゾクゾクと身の毛がよだつほど興奮する」とプロモーターは豪語しています。けれど、彼らはポーランドのオジエやタナクの走りを見て、ゾクゾクしてなかったのでしょうか。おかしいなあ、僕なんかさぶいぼだらけなんすけど・・・。そして、これで人気が復活しなかったら、次は600馬力でカーボンモノコックボディの新規定にするとでも言うのでしょうか?

とりあえず新しい規定は2017年から2019年までの3年間。トヨタもやってくるし、一時的なカンフル剤のような効き目はあるのかもしれません。しかし、世界ラリー選手権のトップカテゴリーが、技術的にも精神的にもほとんど量産車とリンクしない「レーシングカー」の路線を継承するかぎり、いつまでたってもWRCに真の変革は起きないと私は信じています。


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