マキネンがトヨタのラリーディレクターを務めるかもしれない、という本日のニュース。びっくりした人も多いかもしれません。しかし、なんだかほっと一安心しませんでしたか？　僕はこの報せをまさしく待ち望んでいました。長年、トヨタのカムバックを待っていた一人のファンとしては、ある意味では、日本でヤリスWRCが初公開された1月30日以上にうれしい一日になりました。

いかに豊田社長が世界一ラリー好きであろうと、直接、その采配を振るわけにいかない以上、その意志を100％実現させるためにはカリスマともいえるチームディレクターが絶対に必要不可欠だと僕は考えてきました。Mスポーツにマルコムがいて、VWモータースポーツにヨーストがいるように、大事なのはTMGという舟ではなく、その舵を握る人こそが最重要であり、プロジェクトの命運を左右するのは、お金をかけて作った風洞や7ポストリグやシミュレータといった機械ではなく、まずはこのプロジェクトの最終目標地点がどこにあるのか、ディレクターが迷うことなくきちんと指し示すことことがスタート地点になるべきだと考えてきました。

カミリーは将来性のあるドライバーだと思うけれど、いま彼を育成をすることがトヨタの最優先事項ではないだろう？　と、ここ数ヶ月、何とも胸の奥がモヤモヤし続けてきました。ドイツ・テストでだいぶ良い足回りになったとはいえ、1年半後にVWやヒュンダイと対等な戦いができるのだろうかと、いまのヤリス・テストカーの走りは将来をひどく不安にさせるものでした。しかし、マキネンがボスなら、まだ間に合うような気がします！

世紀の大誤報？　そんなはずはありません。1年前、僕らはラリー・フィンランドで豊田章男社長とマキネンがまるでハネムーンのようにランデブーをするのを目撃したじゃないですか！ あれから一年たって、誰だってあのときの物語の続きを知りたいはず。できればこの夏、ふたたびフィンランドで！