トヨタWRCチーム=TOYOTA GAZOO Racingのチーム代表にマキネンが決定したことが本日正式に発表されました。今月末のラリー・フィンランドで発表されるのでは? と夢想しておりましたが、それまでの一カ月という時間を惜しむかように突然の発表が行われました。
自動車メーカーの社長がチーム総代表に就任し、しかも直々にモータースポーツのトップ人事を発表する例を僕は知りません。それだけに、マキネンの代表就任はトヨタのWRCプログラムにおいて他のあらゆるものより優先されるという、内外に向けてのこれは宣言であるように感じられました。
今日発表されたリリースのなかで社長は、トヨタにはない「豊富な経験」や「自動車開発に向けた新たな発想」を持っているマキネンに、トヨタの「もっといいクルマづくり」を手助けしてもらうことを決定したと述べています。過去をみるまでもなく勝利のためには中途半端な形でやっていてはだめだという強い危機感が今回の抜擢につながったように個人的には思います。
マキネンが果たして今後どのようなことを決めてゆくのか注目されるところですが、さっそくフィンランド国営放送のYLEは、マキネンのホームタウンにあたるプーポラにトヨタの新しい開発のベースが築かれるかもしれないと伝えています。それがただの噂なのか、TOYOTA GAZOO Racing の欧州ベースの胎動なのか、いまはまだ明かされていません。そしてまさしく今日、フィンランドでエリック・カミリーによってヤリスWRCのテストを行っているTMGがどうなるのか、それぞれがどのような役わりを果たすのか、それもいまはわかりません。しかし、「一からチームとクルマを鍛える」その第一歩となるマキネンの起用に続いて、いまのエンジニアリング体制に大きなメスが入れられることだけは確かなように思います。