どうしてエストニア出身のドライバーが高速ステージで速いのか、週末に行われたラリー・エストニアのタイムを眺めていて改めてわかったような気がしました。マルティン、タナクという突然変異が生まれた理由がよくわかるね、本当にエストニアの道は速い!
優勝したルクヤヌクの平均速度は123.6km/h。これはものすごく速いと言われた先日のポーランドでオジエが出した121.4km/hを、グループNマシンでありながら2kmも上回っているのです。
7月2日の本ブログで2000年以降にWRCで叩き出された最速ステージ・ベスト10を紹介しましたが、残念ながら今年のポーランドではトップ10に入る記録は出ませんでした。しかし、今回のエストニアではSS5ウルバステのステージでカイエタノビッチが141.6km/hを出しています。2000年フィンランド・コンティマキのグロンホルム(138.2km/h)や2014年ポーランド・ビエルチュキのミケルセン(136.9km/h)の記録を超える、まさしくヨーロッパ最速タイムなのであります!
それにしてもルクヤヌクがしびれちゃう速さを見せてくれましたね。ニュースでも紹介したように、あまりの速さに、そもそもグループNとR5では最高速度が違うのだというやっかみの声が出たほど。でも、そんなこと吹き飛ばしちゃうような速さでしたよね! 街のディーラーで売られているのとあんまり変わらないプロダクションカーがこんな速さで走ったことはちょっと感動的ですらあります。ランエボ・ファイナルの市販が始まり、ラリーの世界からもランエボ・ユーザーの数が減りつつあるなかでの今回のERC総合優勝、ほんとうにエボは偉大なマシンだったと改めて思うわけであります。