ラトバラがフィンランドの誇りを懸けてオジエと戦っていた、そのはるか後方でもフランスとフィンランドの次の世代のドライバーの白熱したドラマがありました。
最終ステージを前にしてタイムコントロール遅着というミスを犯した若いコンビ、カンタン・ジルベールとルノー・ジャムール。それまでのリードが土壇場でわずか2.4秒に減ってしまい、こんなとき、あなたなら、しょんぼりせずに決戦に向かう勇気はありますか?
いやー僕はちょっと0.5秒差で逃げ切ったジルベールに感動しました。だって相手は、初日にパンクで遅れたとはいえ、そこまでの19SSのうち17ステージでトップタイムを奪って2分20秒を縮めてきたヤツですよ! ヘンリ・ハーパマキ!
ジルベール(左)とハーパマキ(右)。
いや、二人ともよくやってくれました。速さよりミスをしないいい子が好成績を残しがちなジュニア選手権。優しい顔をしたジルベールも、そういう匂いを感じさせるドライバーでしたが、こういう板子一枚下は地獄という戦いに勝ったことできっとステップを一段上に上がったように思います。
そういえばハーパマキのジュニア・プログラムもたしかフィンランドが最後だったはず。残りは、コルシカ、スペイン、GB。誰かドライブのチャンスを与えてくれないものでしょうか?
それにしてもここのところなかったくらいフィンランドにはいい若手が育っています。
フライングフィン育成プログラムであるフューチャー・ラリースター・オブ・フィンランド2015に選ばれて、今回も速さをみせたフットネン(左)。昨年のWRC3優勝でTMGジュニアに抜擢されたスニネン(中央)、そしてハーパマキの若手フィンの三人衆。
このなかにそう遠くない将来、トップワークスで走るドライバーがきっといるはず!