ミシュランは今回もドイツで新しいドライタイヤH5/S5 を投入したので、週末はタイヤに注目してみました。
これまでのミシュランのドライタイヤを振り返ってみますと・・・
こちらは2013年ドイツで投入されたラティテュードクロスH2/S2。見るからにウェットな性能が弱く、フランスでローブが雨のなかでクラッシュしたことで、次世代タイヤのトレッドパターンはかなりウェットを意識したデザインとなりました。
それがこちら、2014年フランスで投入されたパイロットスポーツH4/S4。サーキットやスポーツ走行で定評のある、ある程度排水性を高めたオープンなカットが特徴です。しかし、接地面積が小さく、ブロックが小さいことから、ラトバラなどから「トレッドが動く」という批判があり、ふたたびミシュランは進化版を投入することになりました。
それが今回ドイツで投入されたパイロットスポーツH5/S5。トレッドパターンはH4/S4のデザインが踏襲されましたが、タテ方向のグルーブとグルーブの間隔が広がり、接地面積も大きくなったことで、より「動かない」ものになっています。
コーナーでは動かなくなってグリップの感覚は向上しているのですが、ブレーキのフィーリングがあまりよくないのでしょうか、セッティングにはかなり試行錯誤をしているというコメントが多く聞かれました。
摩耗性についてはかなり向上しているようです。ステージを連続して60kmを走るような場合にももちろん高度なマネージングの必要はあったわけですが、ドライバーたちからは、摩耗に関する苦情もあまり出なかったように記憶しています。
フィエスタはハードタイヤでも摩耗が大きかったようですね。とくに路面の温度が上がるとエヴァンスは40km以降のパフォーマンス低下を指摘していましたね。しかし、距離がそう長くなければ、トラクションの性能が高いフィエスタの特性にはうまく合っているようにも思いました。
VW以外ではただ一人ベストタイムを出したエヴァンスには今後もターマックのパフォーマンスを期待したいところですが、紙やすりの上を走るような摩擦の激しいコルシカの路面ではどうなるんでしょうね。
今回のドイツでは、フィンランドのようなゲリラ豪雨でもあれば、もう一つの違ったドラマもあったんでしょうけど・・・よほど晴れ男と晴れ女の人がドイツにいたんでしょうね。
ちなみに昨年、標準ドライタイヤのウェット性能を補うためにドイツ、フランスでフルウェットを想定してFWがオプションとして用意されましたが、今回は用意されませんでした。