やっぱりラリーが好きなのだっ!〜編集代表のラリーな日々ブログ〜

トヨタ、わかってきたこと。

TOYOTA GAZOO Racingが公開したトミ・マキネンのインタビューから、これまで見えなかったトヨタWRCプロジェクトの進捗状況が見えてきました。
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ラリー・フィンランドに姿を見せたマキネンは、新チームの体制や新しいファクトリーに関する決定は夏の終わり頃には発表されると語っていましたが、それ以降、ぷつりと情報もストップ。TMGがエンジン開発を行わないとか、プロドライブに開発が委託されるのではないかとか、怪しげな情報ばかりが駆け巡り、世界中がいったいトヨタはどうなってんのよ? と疑心暗鬼になっていたところでやっと公式情報がもたらされたというわけです。

とはいえ、新たに発表になった開発メンバーは、マキネンが少数精鋭を謳っているけれど、誰もが知っているような実績を世界ラリー選手権で残したトップエンジニアがいるわけではないので、正直、未知数なだけに怖さを感じます。

3年連続王座を獲得したVWに対して、後発のヒュンダイが豊富な資金と技術と実績のある陣容をもってしても今年もまったく近づけなかった現実を目の当たりにすると、誰だっていまの世界選手権がいかに新入りに厳しいことが理解できるでしょう。

いまのWRCは、マルコム・ウィルソンがドベンバイホールを築いてフォードのワークス活動を始めた90年代末のように毎年新しい進化をマシンに投入できたロマンチックな時代とは違い、いっそう非情な勝負の時代になっています。

2017年規定では、いまよりさらにジョーカーが少なくなるため(これがトヨタにとっては痛いね!)、いったんデビューさせてしまえば3年間はまったく大きな進化は望めません。一度船出したら、引き返すことができない以上、ここから来年秋のホモロゲーション申請までがヤリスの命運を決めると言ってもいいでしょう。

開発が計画どおりにいけば来年の3月頃には新しいヤリスWRCがテストを開始します。2017年はまだまだ先にように見えるけど、実はその大勝負は見えないところですでに始まっています! マキネンのマネージメントの手腕と技術陣たちの奮闘に期待しましょう。

以下はマキネンの発言のまとめです。

・ヤリスWRCはフィンランドで製作へ。2016年はプーポラのTMRの施設で開発作業を行い、2017年以降のワークスチームの拠点や将来必要な施設は別の場所も検討中。
・TMGは引き続きエンジンの設計と製作を担当。
・まもなくプロトタイプマシンの組み立てが始まり、2016年春に最初のテストの予定。
・WRCチームは少数精鋭で効率のよい運営を目指す。現在のスタッフはおよそ40名。
・2017年から3台での参戦を希望。難しければ2台で。
・ドライバーに関してはまだ決まってない。(クリス・ミーク、エサペッカ・ラッピ、テーム・スニネンが候補と噂される)


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