イヴ・マトンが、クレイグ・ブリーンをアブダビ・トタル・ワールドラリーチームに起用した理由について、PSAプジョー・シトロエン・グループ全体で才能ある新人にもチャンスを与える方針だと説明しています。
たしかにトヨタも参戦するし、今後はトップドライバーが決定的に不足してくるわけですから、プジョーなのかシトロエンなのか、どちらの秘蔵っ子だったとか関係なく、ステファン・ルフェーブルかブリーンを2017年の復帰にむけてクリス・ミークのチームメイトとして鍛えようというわけです。
すでにご承知のとおり、プジョー・スポールとシトロエン・レーシングのファクトリーは来年秋には統合され、現在のシトロエンの本拠であるベルサイユにおかれるPSAプジョー・シトロエン・グループの新しいモータースポーツ部門である「センター・オブ・エクセレンス」の下に置かれることになります。
これによって、それぞれのファクトリーがどのような組織となってそれぞれのカスタマー事業がどうなるのかよくわかっていませんが、PSAグループ全体できっちり若手を育てて、もう一度、セバスチャン・ローブをつくりましょうという方針になるのだと思います。
昨年、プジョー・ラリーアカデミーでもブリーンとルフェーブルはチームメイトでした。かたや208 T16を駆るエースドライバー、かたや208 R2を駆るジュニアドライバーではありましたが、いまはもう同じ土俵に立つライバルです。ルフェーブルとのコンビを解消することになったステファン・プレボが、ブリーンのチーム加入によってルフェーブルはプレッシャーを感じていると暴露しています。そりゃそうだよね。
はたしてどちらがどう生き残るか、どちらがどう育つか。これは2016年の注目の一つと言えそうです。