思ったよりも冷えなかった水曜日朝、レッキははじまりましたが、前日まで降った雨でゆるんだグラベルにはスタッドタイヤを装着したレッキカーの走行で深い轍が幾筋も掘られました。
路面に轍をつくるためにレッキをしたくないと訴えたオジエ。この写真からも彼がなにを言っていたのかよくわかります。
路面は月曜日に想定した以上に悪い状況です。このような路面でレッキを続けたあと、このまま轍が凍れば最悪の本番になります。もちろんラリーを強行しても、凍ったグラベルではスタッドが抜け落ちる問題も出てくるでしょうし、あとあとコースの修復をしなければならない主催者にとっては予定外の出費に頭を悩ますことになるわけです。
正直言ってオジエの要請は当然のことのように思えます。しかし、オジエの意見を無視したのではなく、主催者はなんと水曜日のレッキ後、夜中からコースの修復を開始、重機のグレーダーを入れて路面をフラットにする作業を行ってます! 誰の予算なのかわかりませんが、スウェーデンだけの予算じゃないことは間違いありません。雪がなく凍ったグラベルラリーになろうと、簡単にキャンセルさせるわけにはいかないというわけです!
1990年だったらいざ知らず、いまの世界選手権はおいそれとキャンセルできない裏事情もあるようです。修復した路面は金曜日の朝までに凍結するのかどうかわかりませんが、「ボロボロに轍が生まれてもまた修理すればいいじゃないか!」というWRCステークホルダーたちの強い決意が無事にラリーをスタートに導くことになりました。はたして明日の金曜の初日、ラリーはどうなるでしょうか??