フォルクスワーゲンが2017年にむけた新しいWRカーのイメージスケッチを公開しました。VWはあくまでもコンセプトイラストだと強調していますが、思ったほどに大胆な変化がなかったような印象を受けました。
フロントノーズはもっと前に飛びだしてもいいような自由度のある規定となっており、テストカーでは出っ歯型のチンスポイラーも試されていたのですが、2016年型ポロとあまり変更はないようです。まあ、あんなスポイラーつけても、サーキットならともかく、ラリーではインカットやクレスト超えただけですぐにバキバキのエアロになっちゃいますもんね。
それより、ちょっと気になるのは、本日のニュースで紹介された、より速くなるマシンを警戒する声がドライバーやイベント主催者から上がっていることです。このイベントがどこなのか不明ではありますが、主催者たちがルートの決定作業においてセーフティのために平均速度を下げる努力をしていることが明らかにされています。
先日、オウニンポウヤを逆走させることを決定したフィンランドは、スピードを落とす考えでそうしたのではないと説明しましたが、明らかにブレーキを掛ける意図があったと私は思います。ラトバラが昨年のフィンランドでこれまでのWRCの歴史における最速記録を更新し、25kg軽くなって380馬力にパワーがアップした新しいWRカーの登場によってそれもあっさりと塗り替えられるでしょう。そのとき安全性ははたして保たれるでしょうか。
新WRカーについては、たしかフロントドアについても5ドアのリヤドアと同じように厚さを改造できるようフリースペースを設けて衝突に関するプロテクションを強化するというアイディアがマニュファクチャラー委員会で検討されたはず。しかし、このポロの外観を見てもわかるように、それらしいものは付加されないまま。それともあのコンパクトなマシンのコクピット側に安全性を高めるような画期的な構造物が付加されるのでしょうか? 速さとダイナミックなエアロにばかりに目が奪われ、なにか大事なことが置き忘れたままになってるような気がしてなりません。