セブとヘイデンがスタートのルールをめぐって観客の目の前で口論したというニュースが伝わってきました。
すでに紹介しているとおり、二日目を終えたあとの記者会見で、オジエは「ヘイデンは完ぺきに彼の仕事をしているが、いまのルールではそれはスポーツでも競争でも無い」と語っています。この発言に対して、会見のあとヘイデンが抗議をしたそうなのですが、ここでどのような言葉が交わされたのか正確にはわかっていません。
スタートルールはそもそもスタート順の違いによる不公平をなくすために見直されたのですが、いつの間にやら、一番速い人がなかなか勝ちにくいようにハンデを与えるルールに化け、とうとう二日間で30秒という差をつけられたわけです。そりゃあ、オジエの不満はごもっともなのですが、「スポーツではない」という発言は、明らかにラリーリーダーを侮辱するもので、怒らないドライバーがいたらそれはむしろおかしな話です。
しかし、オジエとパッドンが場外で激論したという話を聞いて、真っ先に思ったのは、どちらのルールの解釈が正しい云々ではなく、相手がワールドチャンピオンだろうと怯まずに抗議するパッドンの負けん気の強さでした。
これまでは仲のいいチームメイトが飲み込んでいた怒りの言葉を正面からオジエにぶつけるドライバーが現れたことはむしろWRCにとって歓迎では?
しかも、ヘイデンは結果的には30秒あったリードをほぼゼロにしたところで最終ステージの対決でもオジエにガチで勝利しているわけで、ローブなきあとオジエにとって久々の天敵誕生! それだけでもうファンとしてはドキドキじゃないですか! ヘイデンは精神的にじわじわと追い詰めるタイプ、チャンピオンご用心!