やっぱりラリーが好きなのだっ!〜編集代表のラリーな日々ブログ〜

13番手だったから勝てたのか?

クリス・ミークがすばらしい速さをみせてポルトガルで2勝目を飾りました。しかし、彼が勝てたのは13番手のポジションのおかげだったのでしょうか。
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雨の影響でやや湿ったコンディションのなかでスタートしたポルトガルの金曜日。スタートポジションは1番手がオジエ、6番手のラトバラ、13番手のミーク。誰がオープニングステージでいいタイムで駆け抜けるのか。世界が注目するなか、ミークが5.6秒オジエを引き離してトップタイム、ラトバラは13秒遅れでした。そしてその勢いのまま、ミークは初日で31秒をリードすることになったのです。

ミークもスタートポジションがこのタイム差を生んだ理由だと認めています。しかし、WRC公式サイトWRCプラスのインカーカメラを見ると、柔らかくなった路面でも岩盤質の路面でももっともクリーンな路面だったのはラトバラのときであり、とくに午後のループでは、ミークの走行のときには柔らかい路面にはすでに轍が生まれ、コーナーにはペースノートにはない穴が開き、たくさんの石がかき出されていたことがわかります。

もちろん罠さえなければ多くのコーナーでよりクリーンな路面を走れたのはミークなのかもしれませんが、ラトバラのように荒れた路面でパワステのオイルラインを壊して失速するドライバーがいるなかで、彼よりさらに荒れたコンディションのなかでミークはこうした危険な状況を避け、ノーミスで三日間をトップで走りぬけたのです。

ミークが13番手のポジションにただ助けられたのではないことは、ジュリアン・イングラシアも証言しています。「クルマの中にいた僕は、彼らのタイムをよく知っている。彼らのはクルージングじゃなかった」

それでも、それがまだ信じられないという人がいたなら、WRCプラスのインカー映像をすべて観ることをお勧めしたい。「ミスをせずに首位をコントロールできた今回の2勝目でやっと壁を越えることができた」というミークの言葉の意味がそのときわかるだろう。たしかに13番手には助けられたかもしれない。けれど、ポール・ネーグルが言うように、この勝利は「間違いなく過去最高のパフォーマンス」のおかげなのです!

写真はミークが自身のInstagramに上げていた写真が面白かったのでご紹介。「今年はファフェの記録には挑戦できないなあ」ですって! おめでとう、ミーク。2017年がほんとうに楽しみになってきたよ!


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