先日、JAFモータースポーツ部を訪ねて、スバル・レオーネのオリジナルのグループAホモロゲーションの書類をみせていただきました。塚原さん、田中さん、お忙しいなか、貴重なものを見せていただきありがとうございました!
レオーネの書類A-5259には申請者である、今は亡き久世さんや小関さんの手書きのサインが書かれており、これらを一枚ずつ開くときにぶるぶると手が震えました。
まさかこんなところでお二人にふたたびお会いできるとは。これもなにかの縁だったんでしょうか。
さて、あまり知られてないかもしれませんが、JAFにはこれまで日本の自動車メーカーからJAFを経由して当時のFISAおよびFIAに申請されたホモロゲーションの書類の原本がすべて(!)きっちり保管されているのです。あの裕次郎の時代の日産から最近のマシンまで完全に! これはすごいっ!
しかも、僕らがふだん目にする、むかしのラリーカーのホモロゲーションペーパーは、コピーにコピーを重ねているなので、どこがどんな風になってんのかあまりにも不鮮明で、それでよく車検で問題ならなかったな、なんて思うものもあるわけです。それをいいことに曖昧な解釈が可能なグレーなパーツを不鮮明な写真で申請していた例も海外では数知れず・・・。まあ、それはともかく、なんといっても、ホモロゲーションペーパーこそが車検では真実なわけで、この書類に記載されている内容こそが、いまとなっては重要な歴史の証人であるのです。
もちろんむかしのラリーカーなんて、とっくの昔にホモロゲーションが切れていますが、何がオリジナルなのか、どれがホンモノなのか、真実を求めて、ヨーロッパのヒストリックラリー選手権に出場するエントラントやFIAからひっきりなしにJAFに問い合わせがあるのだそうです。
しかも、JAFが保管する日本車のホモロゲーションペーパーはこれが原本! 写真もモノクロの紙焼きがのり付けされているので、パーツなどはバリバリに鮮明なのです!
くーっ、みてください、この鮮明なロールバー! 総重量13kgの軽量アルミ製。アルミとはいえ、むっちゃ硬くて曲げるのがたいへんだったそうです。
ちなみにFIA は92年にグループAアルミ製ロールケージを全面禁止しています。後期にはレオーネのためにクロモリ製ロールケージをVO申請しています。こちらの総重量39kg。アルミがいかに軽かったか!
さて、なんで実はこのホモロゲーションペーパーが見たかったのかというと、実はレオーネの今後の修理の方向性においてちょっと迷うところがあったからなのです。
サファリを走ってからすでに30年、これまでに数人のオーナーを渡り歩いたこのクルマは、当然のことながら、その後、さまざまな改良や改造や修理がなされてきたわけで、そもそもオリジナルがどうだったのか確認するためにも資料を集めたかったわけなのですが・・・・実をいうと、動かぬ真実を確認できるかと思っていたはずが、かえって謎が・・・。ああ、なんだか歴史ミステリーの世界に迷いこんだみたいです! タイムマシンがあったらどんなにいいか!