やっぱりラリーが好きなのだっ!〜編集代表のラリーな日々ブログ〜

マニュファクチャラー登録3台、仏つくって魂いれず?

どうせVWもヒュンダイも3台を走らせているなら、いっそ3台ともマニュファクチャラー・ポイントの獲得の権利を与えたらいいんじゃないの? というルール改正がどうやら進んでいる模様であります。3台のうちポイント獲得できるのは上位2台ともになるとの情報です。
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たしかに、3台目をヒュンダイ・チームNとかVWチームIIとかよくわからない名前のセカンドチームで走らせるより、どうせ走らせるならワークスの1台に組み入れてライバルチームのポイントを邪魔したりできるようにしたほうが、はるかに選手権が活性化するはずだとの考えでこうしたアイデアが浮上したのだと思います。

しかし、この3台体制、過去にも導入されたことがありましたが、2003年シーズンで打ち切りになっています。この年のモンテカルロのノミネートドライバーの顔ぶれを見ると、とんでもなくゴージャスだったことがわかります。

シトロエン:マクレー/サインツ/ローブ
プジョー:グロンホルム/パニッツィ/バーンズ
フォード:マルティン/デュバル/ミッコ
スバル:ペター/マキネン
ヒュンダイ:シュバルツ/ロイクス
シュコダ:オリオール/ガルデマイスター

なんと6ワークス、ワークスドライバーが16人です! WRCチームとかがない時代、いかに世界選手権が有能なドライバーで溢れていたか! 

2017年にはトヨタも出てくるし、シトロエンも帰ってくるし、WRCプロモーターは2003年シーズンのような活況ぶりを夢見ちゃったのでしょうけど、はたして目論見どおりにうまくいくのでしょうか。もちろんドライバー市場は奪い合いになるのでしょうけど、2003年ほどトップドライバーがいるかというと・・・。

あの時代にあれだけのドライバーが揃ったのは、参戦するチームが多かったことが最大の理由ではあるのでしょうけど、とにかく若手の選手層が厚かった! 3台目が誰になるのか、いつも各チームの動向が注目され、コルシカではターマック専門のスペシャリストが起用されていい仕事したり、各国のグラベル戦ではローカルのスペシャリストが腕を奮ってみせたことも多かったと記憶します。もちろん、あの時代にそんなことが可能だったのは、やはり国内戦も世界選手権も同じグループAのマシンで争われてきたことが大きかったと思うのです。

2017年から新しいWRカーが走り始め、FIAが認めたドライバーしかこのマシンをドライブさせない考えにあるそうです。まさしくWRカーはラリー界のF1マシンとなるわけですが、そんなことになったら若手は一体いつ、どうやってこのマシンに慣れたらいいのでしょうか? 

いまでさえ、将来が期待される若手をメーカーが支援してトップカテゴリーのマシンをドライブさせるチャンスを与えても、表彰台に立てるようになるまで最低でも3年はかかります。それが2017年以降はどうなるのでしょうか。R2→R3→(R4)→R5→・・・WRカー? より遠い道のりになることは間違いないでしょう。

マニュファクチャラーの3台登録については、WRCプロモーターとFIAの提案によってWRCコミッションで承認され、あとは次回のワールドモータースポーツカウンシルに上げられ最終承認を待つだけと言われています。このアイデアそのものは悪くないと思うけど、まさしく仏つくって魂いれず状態になりそうな気がします。



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