マイケル・ゾートスがトヨタのWRCプロジェクトから離脱するという。なにが起きたのかわからないが、テクニカル・ディレクターがテストカーが走り始めた途端にチームを離れるということはきわめて異常な事態だ。
そもそもトップのワークスチームでチャンピオンマシンを作った経験と実績がないゾートスの起用に関しては疑問視する声があったことはたしかだった。しかし、チーム代表のトミ・マキネンが彼のエンジニアとしての才能にほれこみ、その抜擢にはそれなりの確信と期待があったことは間違いない。それにしてもなぜ突然の辞任。なにか技術的な問題があったのだろうか。
カムフラージュされたヤリスWRCのテストカーは、スペイン、フィンランドに続いてポルトガルでも忙しく走っている。その動画を改めて見直してみた。いまの時点でこのマシンがどれほど速いかどうかは比較の対象がないためわからないが、エンジン音の違いから複数のエンジンおよび排気系が試されているらしいということと、ステアリングの反応がやや鈍く、まだまだ曲がりにくいクルマであることは見てとれる。
ヤリスの開発はまだまだ始まったばかりだ。2017年のデビューまでに残された時間は少ないが、さまざまな変化が、チームをさらに力強く前進させるためのターニングポイントになることを信じたい。