シトロエンがヌーヴィルという名前が記されていない2017年のチーム体制を発表したその2時間後、ヒュンダイがヌーヴィルとの2年間の契約延長を発表しました。
WRCの舞台裏を知る関係者の多くが、コルシカではヌーヴィルとチームの関係が変わったことを不思議なものを見たかのようにレポートしていました。
これまでチームマネージャーのアラン・ペナスとの埋めるに埋められない溝があったことは公然の秘密でした。誰もがヌーヴィルがチームを離脱するのは当然の流れだと受けとめていました。
はじまりは昨年の夏、ペナスがあまりに不振だったヌーヴィルを好調のヘイデンと比較して公然とマスコミの前で批難したことで、両者のいさかいが知られることになりました。よくわからない原因でスランプに陥るものだとはよく言いますが、完全に喪失した自信をやっとヌーヴィルは今年取りかえしたとはいえ、一度、壊れてしまったペナスとの信頼関係は戻すに戻せない状況にあると言われてきました。
「去る理由はない」とヌーヴィルはチーム残留の理由を真っ先に述べました。当初彼が希望していると噂された1年という短期契約ではなく2年の契約です。シトロエンがいくら速くても、そしてトヨタがどれほどの速さをもっていることがこの先わかっても、もはやヒュンダイから逃げるつもりはないという意味の2年でしょう。
ヒュンダイでチャンピオンを獲るのだというヌーヴィルの覚悟と強い決意をそこに見た気がします。