やっぱりラリーが好きなのだっ!〜編集代表のラリーな日々ブログ〜

2016年12月アーカイブ

あれやこれやで年の暮れなのだ。

毎年、年末の恒例となっている編集部が選ぶトップ10ドライバー・オブ・ザ・イヤーが本日公開されました。しみじみ、年末だなあ〜。原稿を書く時間より、ニュースやデータをまとめつつ、こんなこともあったなあー、なんて一年をふり返る作業が楽しくもあり、けっこう時間がかかるのですが、ほんとうに2位以降のドライバーに順位をつけるのが悩ましい作業でした。
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ワールドチャンピオンが群を抜いていて、ミケルセン、ヌーヴィル、タナクらにも成長を垣間みることができたとはいえ、じつは決定的な2位がいなかったシーズンだったとも言えるかもしれません。
ベストタイムの回数ではオジエに次ぐ2位であるにもかかわらず、僕はヤリ-マティを7位と評価しましたが、2位と7位にそう大きな違いはなかったようにも思います。ただ、一つだけ言えることは、やっぱりヤリ-マティにはもっとワクワクさせてほしかった!
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オジエが作ったクルマに慣れようとして最後まで慣れることができなかった彼が、彼の母国のファクトリーで作られたヤリスでどんな変化をみせてくれるのか来年は楽しみに待ちたいと思います。

さて、地方在住スタッフの都合もあって、なかなかできなかった編集部忘年会も、お世話になっているみなさんにも集まっていただき、やっと行うことができました。
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いつもの餃子で、久々のメンバー全員集合のはずが、四国開発チームの飛行機が霧で飛ばなかったりと、けっきょく足並み揃わなかったんですけどね!

というわけで、たまっていたウィナーズダービーのプレゼント発送作業を兼ねて、改めて本日、年末年始の準備について編集部で打ち合わせを行いました。サイトもちょっとだけリニューアルします。ちょっとだけじゃなくて、中身の作業はかなりたいへんだったのですけどね。こちらについてはまた後日。
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ということで、プレゼントにはWRC中継でお馴染みのJ-SPORTSさんからいただいたWRC公式ステッカーや引き出しから発掘された、TTE時代のトヨタステッカーがまざっています。お手元に届くのは年明けかな・・・。
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当選された方はお楽しみに!

今年もみなさま、ありがとうございました!

どうなるの、DMACKチーム?

12月に入ってすぐにも発表されるはずだったDMACKワールドラリーチームの参戦発表がいまだありません。当初は当確のエヴァンスに加えて、ミケルセンが2台目として加わるんじゃないかなんて憶測もされていたわけですが、どうやら発表が遅れているのはドライバー体制が原因ではないことがわかってきました。
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マルコム・ウィルソンによれば、DMACKチームの発表は早くても1月第2週目になりそうだとのことですが、これにはレギュレーションが関係しているみたいです。

いまのところ来年、新しいWRカーで選手権に参戦できるのはマニュファクチャラーがエントリーしたチームのドライバーのみとなり、FIAが承認することが必要となります。プライベーターが新しいWRカーで選手権に出場することは認められていないため、マニュファクチャラーでないDMACKチームが新型のフィエスタWRCで出場できることは、いまのレギュレーションでは許されてないことになります。

しかし、たとえばMスポーツ・ワールドラリーチームとしてマシンカラーの異なるマシンをエントリーすることは可能なのかもしれません。マニュファクチャラーはポイント獲得可能な新WRカーを最大3台まで登録できるわけですけれど、マニュファクチャラーの名前でエントリーできる台数を制限している規定はいまのところないように解釈できるので、プロコップやベルテッリをチームのメンバーとして参戦させることは可能な気がします。

しかし、タイヤメイクが異なるクルマをチームの1台としてエントリーできるかどうか、つまり同一チーム内に、ミシュランのマシンとDMACK のマシンがあっていいのかどうかについてはレギュレーションに明記されてないのでよくわかっていません。

いずれにしても、マルコムは、プライベーターにも新しいWRカーを開放すべきだという主張しているのですが、こうしたエントリーが可能なのか、あるいはレギュレーションの変更がなされなければ不可能なのかどうかを含めてFIAに確認がとれるのは、どんなに早くてもクリスマス休暇明けになるというわけです。

そういえばSTAY TUNEDして待っていたプライベートVWチームに関する発表は?

関係者によれば、 プライベートVWの申請に関係する具体的な相談がなかったためにFIAは迷うことなくマニュファクチャラーのリストを決定したとの情報もあります。こちらもマニュファクチャラーとしてノミネートできてない以上、モンテカルロどころではなくてスウェーデン以降だって走ることはできないはずなのですが。マッズがテストしたんじゃないかとの情報もあるけれど・・・、こちらも状況が進展するのは休暇明けでしょうか。

期待していいの? 思わせぶりなVWの動画。

2017年デビューにむけて開発されてきたポロR WRC2017は、フォルクスワーゲンの撤退決定を受けて、プライベーターの手で世界選手権を走らせる可能性が模索されてきたわけですが、マニュファクチャラーとして来年のWRCにノミネートしなかった以上、実戦で走る可能性はなくなったとも言われています。

しかし、マッズがテストした可能性があるとか、ミケルセンもスポットでスウェーデンを走る可能性があるとか、ポロ2017に関係する噂は途絶えることはなく、聞こえてきます。

そして、今日、またなにやら胸をざわつかさる動画が、VWが運営しているファンサイト「RALLYTHEWORLD.com」によって公開されました。
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今回RALLYTHEWORLD.comが公開したのは、2017年のWRCに参戦できないのは、マジシャンがクルマを消してしまったからといういつものナンセンスなショートムービーなのですが、オープニングにちらっと映るクルマがRedBull+カタール・カラーにも見えることから、ラリーファンが大騒ぎとなっているのです。
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リヤウイングの形状は、明らかにポロ2016 とは異なっています。

これまでにもRALLYTHEWORLD.comは、イベント前には必ずラリーファンを期待させるようなギャグ満載のティザーを公開してきました。去年のアルゼンチンではエンジンがオーバーヒートしたんでソーセージを焼いて食べるなんて動画でしたが、なんと2台ともマシンストップで笑うに笑えない予告動画になってしまったこともありましたね!

今日公開された動画のエンディングには「STAY TUNED(乞うご期待)」といういつものメッセージが流れ、まるでカスタマーによるフォルクスワーゲンのプロジェクトが継続されるようにも思わせます。
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フォルクスワーゲンの決定に傷ついたファンはすごく多かったと思います。期待させるだけ期待させておいて、今回も「いつものジョークですよ」では済まないと思う。ここは世界戦略的なファンへのVWからのクリスマスプレゼントだと解釈したいと思います。Xデイは24日? 発表に期待しようじゃないですかっ!

ヤリスは今日もみるみる良くなっている。

ヤリ-マティが来てから、なんだかヤリスがどんどん速くなっている! と気になっているのは僕だけではないと思います。ヤリスはもっと苦労するんじゃないかとないかとやきもきしてきたけど、みるみる良くなっているようです。
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ヤリ-マティはトヨタと契約してからこの2週間で10日も(!)ヤリスをテストしているはずです。今週はフィンランドのスノーコンディションですでに4日間のテストが続いていますが、トリッキーなセクションでの切り返しが続く南仏のターマックより、エンジン音がとぎれることなく踏みっぱなしでいけてる母国のステージの動きを見ると、なんだかクルマが違った生き物にでも進化したようにも見えます。

リストリクターが36mmまで開放されても、ターボも同じ、ブーストも2.5barだし、実は最大トルクは今季のマシンとあまり変わりないのですが、そのぶん高回転域まで回せるようになったのでうまく高い回転域でのパワーを出せているのはシトロエンとトヨタのように思います。トヨタも低回転に落ちてからの立ち上がりも悪くないし、なによりF1のエンジンじゃないか、なんて言われるほど素晴らしくいい音がしていますね! 

ヤリ-マティもますますヤリスにぞっこんになったみたい!フラットで高速なステージだといっそう空力の効果もありそうです。ディッチに片輪落としただけでリヤエアロがすぐにバキバキになっちゃうのだけが心配。ダウンフォースが変わっちゃうこともだけど、すごく加工が難しげなカーボンが高そうだし! 
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↑このあたりがとくに!

トヨタもマニュファクチャラー登録完了!

FIAが19日、2017年の世界ラリー選手権に4マニュファクチャラーのノミネートがあったことを発表しました。ここにトヨタの名前があるというのはなんとも感慨深いものがあります!
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昨年はMスポーツの全戦出場の決定を待つために発表が1月まで遅れました。今回もプライベートVWチームのノミネートが行われるかどうかが焦点となっていたわけですから、すんなりと発表がされるとは思われてなかっただけに意外ともいえる早いタイミングでの公開でした。

2017年マニュファクチャラーは以下の4チームです。

・TOYOTA GAZOO Racing WRC
・シトロエン・トタル・アブダビWRT
・ヒュンダイ・モータースポーツ
・MスポーツWRT

ここにプライベートVWチームの名前がないということは、ポロWRCの最新スペックの最終的なホモロゲーションが承認されず、2017年の世界選手権の出場が不可能であることを意味します。

残念なことはもうひとつ、Mスポーツが登録したチーム名に今回もまた「フォード」の名前が含まれなかったこと! セバスチャン・オジエのチーム加入で、優勝どころか、1981年のアリ・バタネン以来となるフォード・ドライバーのワールドチャンピオンが誕生する可能性があったのに!

オジエ+Mスポーツが月曜日、ラトバラ+トヨタが火曜日、そのあと週末にむけて、ミケルセン、オストベルグ、カミリーなどシートが決まってないドライバーたちの体制についても続々と発表されるかと想像していたのですが・・・。
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木曜日に来季の体制を発表する計画だったDMACKもなぜか発表を延期しています。最近、マルコムがDMACKの2台体制はないと発言したので、ミケルセンのシートの線は消え、コーマックが期待しているエヴァンス1台で行くんじゃないかと見られていたけど・・・。

カタールのVWプライベートチームについても続報なし。唯一の明るい情報は、マッズが SNSで来年もほぼ全戦に新しいWRカーで出場できることになったとアナウンスしたこと! 

2017年のラリー・モンテカルロのエントリーは、16日金曜日の深夜に締め切られますが、はたしてマッズは? そして、ほとんど情報のないミケルセンは? あの、すばらしいバトルを来年もふたたびみせてほしいものですが、はたして!

さて、ラリーからアメリカンレースまで、さまざまなイラストレーションで知られる佐原輝夫さんによる星野一義イラスト展「Strada」が17日(土)〜22日(木)までAXIS六本木(港区六本木5丁目)で開催されています。
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日本一速い男が30年にわたるレースキャリアのなかから印象に残っているシーンを自ら選び、それを佐原さんが描き下ろしたそうです。お時間のある方は、ぜひ、週末に!

さよならプロダクションカーの時代。

2017年から新しい技術規定によるWRカーが走り始めます。すでにご存じだとは思いますが、 FIAはこのコンパクトなベース車両に380馬力のパワーを与え、それによる安全性を高めることを目的として、ついにドア・アウターパネルの規定に変更を加えることにしました。このセグメントのマシンでは室内にクラッシャブルストラクチュアをこれ以上設けるスペースはなく、これまでよりはるかに速い速度でマシンが立ち木に激突したときの危険性を排除するために、やむをえず外観を変えることを許したのです。
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世界ラリー選手権が1973年に開催されるようになってから44年が過ぎました。その間、グループ4、グループB、グループAへとトップカテゴリーの車両規定は移り変わり、1997年からはグループAに分類されながらもWRカーによって争われる時代が到来したわけですが、これまでの歴史においてたった一つだけフロントのドアに関する基本的な技術規定だけは一度も変わらなかったように記憶しています。しかし、その規定もとうとう来年から変わるのです。

基本的には、世界ラリー選手権のラリーカーのドアについては、そのアウターパネルの材質と形状はベース車両と同じであることが技術規定で定められていました。1980年代のグループBのケブラー製のドアだって、200台のベース車両が樹脂でできたドアをもっていたわけですから、この規定に沿っていたわけです。どれほどのワイドボディとパワーを与えられようと、ドア形状には技術的には触ることができず、どのマシンも、そこだけはプロダクションカーだったのです。

1990年代にチームアストラのファクトリーでアバルトで製造されたグループAのランチア・デルタのドアを持たせてもらったことがありますが、ガラスにはメーカーの刻印も入っていながら、それは小指一本で軽々と持ち上がることに驚いたことがありました。市販車と同一とはいえ、実態は推して知るべしなのでしょう。それでも自動車メーカーもFIAもドア・アウターパネルの形状をかたくなに維持してきたのは、このラリーカーが市販車から生まれたものであるという思想を守ろうとしてきたように私には思えるのです。

昨年末に380馬力の新しい車両規定の骨子が固まった時から、僕はその規定に盛り込まれていなかったドア規定の変更をすべきと主張してきたので、この夏に新しいドア規定が固まったときには、心底胸をなで下ろしたと告白しなければなりません。しかし、こうやってセーフティを目的としてドアに厚みをもたせた新しいマシンを見ると、はたしてこれでよかったのだろうかという疑念がわき起こってくるのです。

大きなウィングとスポイラーで武装したマシンは、たしかに世界選手権のトップカテゴリーにふさわしい外観になったことを認めなくてはなりません。安全になったグループ Bマシンと言えるかもしれませんが、もはや市販車とまったく形の異なるドアになったクルマからは、あたりまえなのですが、ノーズのバッジ以外には市販車の面影をまったく見ることができなくなっています。

インプレッサやランサーエボリューションに熱くなった人たちなら、ラリーカーがどこから生まれたものなのか、きっとよくわかってくださると思います。ラリーカーが世界のどこの街角で見かけるプロダクションカーによって争われた時代は終わり、まるでシルエットフォーミュラのようなWRカーが走り始めます。

Mスポーツへのが移籍が決まったセバスチャン・オジエがスウェーデン・テストで始動し、トヨタ入りの会見から一夜明けて早くもヤリ-マティ・ラトバラがヤリスWRCのテストを始めています。新しい時代の幕明けです。抑えられないほどの興奮を感じつつも、熱かったプロダクションカーの時代の記憶を大切にポケットにしまっておきたいと思います。

トヨタ、おかえりなさい。

トヨタの参戦体制がついに確定、13日にフィンランドのヘルシンキで発表になりしました。
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ユホ・ハンニネンしか決まってないときには、どうなることやらと不安にもなったのですが、こうして新しいスーツに身を包んだヤリ-マティが隣に並び、さらに若いエサペッカも脇に立つと、威風堂々とした新体制に感じられます。
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クルマも3月の開発スタート以降、さまざま姿を見てきましたが、いま、新しい迫力のあるフォルムに進化を遂げ、見たこともないような巨大なリヤウィングの写真を眺めていると、なんとも凛々しい立ち姿にも見えてくるではありませんか。いよいよトヨタが帰ってくるんだなあという実感がじわりとわきあがってくるようです。
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WRC復帰となるラリー・モンテカルロまであと48日。18年ぶりに田舎に帰ってくる息子を待ちわびる母親の気持ちとはこのようなものなのでしょうか。なんと楽しみなシーズンになりそうじゃないですか!

やっぱ愛だよ。

オジエとイングラシアが最終的に選んだのは、シトロエンでもプライベートVWでもなく、Mスポーツでした!
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2011年にサインをもらいそこなったマルコムにとっては悲願ともいえるオジエのチーム加入となります。そして2012年のラリーGBを最後に勝利に遠ざかっていただけに、4年ぶり(!)の勝利もほぼ確実でしょうか!

それにしても、オジエは今回、Mスポーツから発表されたリリースのなかで、あの伝説となったラリーGBの直前に行われたモータースポーツ・フォーラムに出席したときの発言にふれています。

「いつかマルコムと仕事をしたいと語ったが、これほど早くその日が来るとは当時は思ってなかった」

あのトークショーのことは詳しくはコチラを。あの発言を聞いていた誰もが実現することはないだろうと笑っていたはずが、まさか実現しちゃうなんて。
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マルコムのコメントを読んで、どれだけチームに迎えたかったのか、オジエへの愛がビンビンに伝わってきます。VWより払うとか、走りたいんだったら相談に乗ろうか的な求愛で4回のワールドチャンピオンを口説けるわけないよ。やっぱ愛だよ、最後に勝つのは愛なんですよ! 

ガチのバトルがみたかったので、僕はミークとオジエにはチームメイトになってほしくないなあ、なんてこっそり思っていたわりに、オジエのシトロエン入りの可能性はなくなったかもしれないと某情報筋の話にすこしだけがっかり。
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多少の誇張はあるにせよ、シトロエンはそもそもヌーヴィルを断念してただ同然のサラリーで走らせることができる若手のブリーンとルフェーブルしか走らせることができないくらいに財布は厳しいとのこと。

うーん、たしかにオジエ獲得となると契約金に数億、さらにフル参戦のマシンが一台追加で少なくとも年間数億、およそ10億オーバーの追加予算は株主の手前、おいそれとはいかない実情もあるようです。

さらにいえば、開催されるはずだった中国がカレンダーから消えたこともマーケ的にはマイナス要因。はたしてカタールが描くドリームチームがVW+オジエを復活させるのか、それともアブダビマネーのさらなる追加予算があるのか、アラブ方面のニュースチェックが欠かせない毎日です!

いまのところの来季のラインナップは次のとおり。そろそろスウェーデンやモンテの準備もしきゃいけないわけで、来週には新体制でのテストもちらほらと開始されるはず!

シトロエン:ミーク、ブリーン、ルフェーブル
Mスポーツ:オジエ△、タナク、カミリー
ヒュンダイ:ヌーヴィル、パッドン、ソルド
トヨタ:ラトバラ△、ハンニネン、ラッピ△
カタール:オジエ△、アル-アッティーヤ△
DMACK:エヴァンス、ミケルセン△

カタールvsアブダビ抗争、ふたたび?

ポロWRC 2017が来季も走る可能性がでてきたみたいですね。なんてったって、VW取締役のフランク・ウェルシュが容認の方向であることを認めたわけですから、実現する可能性はきわめて高いような気がします。

レッドブル・レーシングがラリーに参戦という噂もあったけれど、VWグループの17%の株を所有しているカタールをバックにしたアル-アッティーヤが新チームを興してオジエとともに参戦か? なんて噂もなんだか現実なものに思えてきました。
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しかし、もしカタールがポロ・プログラムの買収に成功したら、アブダビだって黙っちゃいないはず。予算がないかもしれないなんて言っていたシトロエンだって、これで本気でオジエ獲得に動くはずです。なんといっても、アブダビとカタールは中東では因縁のライバル関係にあるわけですから。
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2年前の最終戦ドバイで中東選手権チャンピオンに輝いたはずのアル-カシミがコースをショートカットしたとしてアル-アッティーヤが抗議、FIA国際控訴裁判所がこれを認めて王者を剥奪したなんてことがありました。その後、アル-カシミがアル-アッティーヤのショートカットを示す動画を公開したりとドロドロの戦いを繰り広げてきたわけですから、これは両者にとっては、お金とかの問題じゃなくて、まさしく名誉と誇りを賭けた戦いになるはずです! さてさて、はたして4回のワールドチャンピオンのチームメイトになれるのはどちら?

最初は大人しい姿だったアイツ。

マーカス・グロンホルムが二日間にわたって行ってきたポロ2017のテストが今週、スウェーデンで終わりました。これでこのマシンのテストプログラムはすべて完了となります。
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そういえば、まだデビュー前のポロWRCテストカーは、フェンダーも小さいし、まるでファビアR5みたいに大人しい姿のマシンでした。
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こちら2012年のドイツ・テスト、ポロは勝ちまくるとは思っていたけど、このあと4年で怒濤の43勝もしちゃうとは。にしても、わずか数年でWRカーもずいぶん様変わりしたんですねえ・・・。 

さてさて、ポロの物語は本当にこれでお終いなのかな? 

i20クーペ、ゾクリとするような存在感。

全マニュファクチャラーの先陣を切って、ヒュンダイが2017年マシンのi20クーペ WRCとカラーリングを公開しました。
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実戦のカラーリングを纏うと、いちだんと張り出したグラマラスなボディが目を引くと同時に、ゾクリとするようなインパクトを感じます。それにしても、このフロントのカナードはすごいよね! フェンダー上を流れた空気が強力なダウンフォースを生みそうです。

とはいうものの、この i20クーペ WRC、直前まで行っていたターマックテストのマシンとちょっと異なってますよね? 
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こちら今日発表されたマシン。
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いっぽう、こちらは今週目撃されたテストカー。ほら、ディフューザーの形状も違うし、リヤフェンダーやバンパーの開口部が・・・。まだまだライバルに秘密にしておきたいところがあるんですね、きっと。

今日の発表会で、ナンダンは「マニュファクチャラー王者が狙えるマシンになった」と意気揚々と宣言しました。着実なステップを踏みながら選手権2位になった以上、次に狙うのはさらにその上というわけです。

フォルクスワーゲンがいない来年、彼の夢はまっすぐ実現にむかっているように感じました!

ポロ2017、これが最後のテスト?

フォルクスワーゲン・ポロR WRC2017のファイナルテストがマーカス・グロンホルムのドライブにより火曜日にスウェーデンで行われました。
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WRCから撤退するわけですから、いまさらテストをする意味なんてないはずなのですが、VWによれば、当初から予定されたとおりにホモロゲーション・プロセスを最後まで行うだけでなく、FIAよる査察と申請を予定どおりに行い、あとはFIAのスタンプがいつ押されてもいい状態までにもっていくのだとか。

ドイツ人らしいといえばそうなんですが、バカに正直すぎると思いませんか?

ホモロゲーション申請書とはいえ、新しいポロ2017の部品のすべてを撮影して、一連の図面と併せて、おそらく150ページを超える書類一式にまとめ、FIAに申請するだけでも一千数万円はかかるはずですから、参戦する予定もないのに、そんな無駄なことしますかね?

レッドブル・レーシングがクルマを買い取るという噂もあるけれど、VWグループの17%の株を所有しているカタール・ホールディングを通じて交渉を行っているアル-アッティーヤの動きも気になります。彼がほしいのは、ポロ2016じゃなくて、本当はポロ2017じゃないんかな? 一連の騒動で大損させた株主様ですから、これはVW重役連中も無視できない?

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