やっぱりラリーが好きなのだっ!〜編集代表のラリーな日々ブログ〜

2016年9月アーカイブ

トヨタ、いちだんと復帰戦に近づきました!

モーターショーの秋です。トヨタがパリで新しいヤリスWRCを初公開しました。
160929_paris_toyota_yaris_tommi_toyoda_TOYOTA.jpg
今回の発表はトヨタとマイクロソフトとの技術提携が主役となり、来季のドライバー体制やマシンの詳細がオフィシャルにされることはありませんでした。しかし、これまでのカムフラージュされた迷彩色ではなく、GAZOO Racingリバリーを纏うといちだんとデビューが近づいた感じがしますね!

よく見ると世界各地で目撃されてきたテストカーとはボンネット開口部、リヤのフェンダー形状、バンパー開口部などさまざまな点が異なっていますが、こちらはむしろ最終スペックをカムフラージュしているように思います。

それらは同じくパリでニューマシンを公開したシトロエンやヒュンダイもまったく同じことが言えます。まだまだホモロゲーションにむけた作業の真っ只中であり、各メーカーともライバルに知られたくないエアロダイナミクスの新技術だってきっとあるはずです。

新しいテクニカルレギュレーションでは、エンジンなどボンネットの中身に許されたものより外観での改造範囲が大きく、それらがより大きな差を生む可能性が大きいと言われています。ヤリスのエアロだって本番ではきっとガラリと代わるはずです!

さあ、コルシカではいよいよ金曜日の朝からラリーがスタートです。
1609230_ogier_VW.jpg
昨日のシェイクダウンでダントツの速さを見せたオジエ、スムーズな速さを見せたミーク、そしてフランス3連覇に意地を見せたヤリ-マティ。3人のバトルになりそう!

マツダが大集合!

先週末、富士スピードウェイで「Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY」というイベントが開催されました。
160929_Beadriver.jpg

晴れたのでマツダ・ユーザーが大集合! マツダのファン感謝デーといったところですが、作り手と乗り手が近づけるような、さまざまな催しや展示が用意されてました。

25年前にルマン24時間レースに優勝した787B。おととしだかにルマン優勝記念イベントのためにフルレストアしたため、オレンジの蛍光色もまばゆいです。
160929_787B.jpg
手前には25年ぶりの公開となった白の787Bが! メガネスーパーの社長の元で大事に保管されているそうです。エンジンなどはこれから整備とか。

うおーっ、オバフェンのサバンナにクラクラしてしまいました! 
160929_rx3.jpg

昔はマツダのこの手のイベントだとラリーカー系もそれなりの数が展示されたのですが、残念ながらきれいにレプリカされたマシンが1台のみでした。
160929_rally.jpg

でも単なるファン感謝デーではなく、マツダのクルマ作りなどを紹介する企画もあり、クレイモデルなども展示されていました。
160929_craymodel.jpg
こ、これは??

レゴで出来たマツダの自動車工場も展示されていましたよ。
160929_factory.jpg
作られているのはマツダ・キャロルです! 愉しい工場! 細かいところをお見せできないのがホント残念です!

トヨタの秘密兵器。

って言っても、15歳のカッレ・ロヴァンペラのことじゃありません。昨今、アルミテープをボディに貼るとハンドリングが向上するという噂で盛り上がっていますが、まさかのトヨタ純正部品として売られていたなんて!
160929_toyota_tape.jpg
トヨタ純正 テープ モールディング、アマゾンで3647円です。

ボディに貼るだけで、直進性、ハンドリング、外乱安定性に効果ありと謳われています。こんなので操縦性がアップするとなると、ドライバーのテクニックとか空力バランスはどうなるんでしょう! なんて、言い出すのはアタマがカチカチの証拠です。

いまから20年前、エンジンに貼るだけでパワーが上がるという魔法のような金属テープがやはりブームになったことがありましたが、当時のトヨタ東富士研究所のエンジニアにテストして見たらどうですかと持ちかけてみたのですが、「そんなことあるわけないじゃないですか」って、鼻で笑われたことを覚えています。

あれからトヨタもずいぶん変わりました。科学では効果が解明できてないのかもしれないけど、いいフィーリングがするんなら、それって信じてもいいんじゃないの? って、しなやかな発想するところが、いまのトヨタのすごさを物語る一断面なのかもしれません。

28日、今日、パリでトヨタの2017年に関する発表があります。ユホ・ハンニネンとエサペッカ・ラッピというドライバー布陣が明らかにされることになっており、そしてことによると新しいヤリスWRCも発表されるのかもしれません。そして、ヤリスWRCが全身こんなアルミテープだらけだったら? なんて想像してしまいました。
160928_yaris_WRC.jpg
それもいいじゃないか! いまのトヨタらしくて。常識を破壊する、新しい領域へのチャレンジの始まりを見てみたいと思います!

ラリー北海道が終わりました。毎年のことですが、北海道が終わると、気がつくと秋になっている気がします。
160926_gill_skoda_hokkaido.jpg
それにしても台風9号が直撃した翌日は、コースがどうなっているのか確かめたくても現地に行けないほど一般道でさえ水につかっているような状況で、さらに10号も連続して十勝を水浸しにするほど雨をもたらしたにもかかわらず、わずかな短縮はあったとはいえ、道路に砂利を入れて補修を行い、ほとんど当初のルートを変えずに開催を成功させた主催者の努力には頭が下がる思いです。

さて、北海道が終わって、いよいよ今週はコルシカ。秋の陣のはじまりであります。移動距離が長いコルシカのため、現地では月曜日からすでにレッキがスタート、すばらしい天気がドライバーたちを待ち受けていました。
160927_corsica.jpg
昨年のようなあんな嵐のコルシカだけはご勘弁願いたいものです。

末恐ろしい15歳。

確たる証拠はないのですが、おそらく公道で運転免許証を取得できる年齢を考えると、10月1日に16歳になるカッレ・ロヴァンペラがラトビア・チャンピオンになれば、史上最年少のチャンピオンになるはずです。
160921_kalle_rovanpera.jpg
ちっともかわいくない15歳です。

まだこの年齢のため、カッレは先週末のラリー・リエパーヤではERCのエントリーは認められず、ラトビア選手権のエントリーでしたが、それでも二日間で4つのベストタイムをマーク、今年ERCで3勝を挙げているラルフス・シルマチスとほとんど変わりないペースで走ったことは本当に驚くべきことでした。

もっとも走行順を考えると、ラトビア選手権のドライバーはERCのドライバーのあとに走るため、ロヴァンペラは39番手という恵まれた後方からのスタートポジションだったようにも見えます。しかし、あまりにも後方でのスタートのため、ステージのかなりのところが走行によってダメージをうけ、多くの石がかき出されているため、けっしてクリーンな路面コンディションを走っていたわけではないようです。

ERCに出場してないのに、コリン・マクレーERCフラット・アウト・トロフィーを受賞しちゃうのも変な話なんですけど、この賞の選考委員の一人であるコリンの父であるジミー・マクレーは、「コリンは史上最年少の世界チャンピオンだった。ERCで若い才能がこのトロフィーを受賞する姿を見られて嬉しい」と語り、ロヴァンペラに我が子の姿を重ねているかのようにエールを贈っています。

ヤリ-マティの最年少WRC優勝が22歳、コリンの最年少WRCチャンピオンが27歳・・・。カッレには、すべてが可能であるような気がします。

シトロエンがC3 WRCコンセプトを公開しました。このマシンは、2017年にデビューするマシンそのものではなく、シトロエンの新しいチャレンジをビジョン化したコンセプトカーだとのことです。
160921_c3WRC_concept.jpg
シトロエンはこのマシンをスタジオで3Dスキャンしたあと、今年の5月のラリー・デ・ポルトガルのマラオ・ステージで撮影された映像と合体、いち早く世界選手権のステージを走らせるという凝ったCGビデオを作成しております。

モノトーンの背景なので、モンテのナイトステージやスウェーデンのステージかと勘違いしてしまいましたが、世界選手権復活への期待感があふれる素晴らしい動画となっています。
160920_C3WRC.jpg
フロントスポイラーやリヤウィング、サイドシルやリヤサイドの開口部に至る、流れるようなデザインがC3 WRCの最終スペックに採用されるかわかりませんが、これまでのテストカーが花びら模様にカムフラージュされてぼんやりとした印象しかなかっただけに、なんだかこのコンセプトカーに無性に興奮してしまいました。最終スペックじゃないのにね。

コードナンバー#7 TEST とボディに記されるはずの最終スペックのテストもどうやら始まったようです。コンセプトカーに似ているのか、それともあくまで別モノなのか。こちらも気になるところです!

空力大戦争。

ポロR WRC2017の最終スペックがテストを開始しました。とりわけ、吊り下げ式となってリヤのオーバーハングから飛びだしている巨大なリヤスポイラーによって全体的に獰猛な姿に生まれ変わりました。
polo2017_front.jpg
前から見るとアウディ・スポーツクアトロで、後ろから見るとMGメトロ6R4のようです。まさしくグループBのような迫力! 
polo2017_rear.jpg
ただワイドになっただけじゃなく、もろもろ新しいエアロの試みがあちこちに。ホモロゲーションの申請までおよそ一カ月となり、そろそろこれまでライバルたちには知られたくなかった空力的な秘策を公開というわけです。

ボンネットに開けられた開口部もこれまで左右だけでしたが、センターにも穴が開いているようですね。また、リヤのディフューザーは下からだけでなく、バンパーの左右に開口部を開けて空気を抜いているようです。マフラーもセンターに変更されていますが、これらはもっともアグレッシブな空力フォルムをいち早く取り入れたトヨタ・ヤリスWRCから奪った手法と言えるかもしれません。まさしく空力戦争というわけです!

最終スペックでいちばん目についたのは、クラッシュの衝撃からクルーを守るために厚みのあるドアに変更されたこと。安全が一番です。FIAに感謝!

フィアット124アバルト・ラリーR-GTのテストがついに始まりました。母国ラウンドのサルディニアでゼロカーで走るなんて期待がフルスイングの空振りに終わり、プロジェクトそのものが夢だったんじゃないかと思い始めていたのですが、ついに、ついに走り始めましたね!
160916_124abarth.jpg
テストが行われたサン・ロモロの名前を聞いてピンッときた人も多いはず。かつてアバルトが世界ラリー選手権のために037やデルタS4を開発してきたときに伝統のステージでふたたびアバルトが走りはじめたのです。

ドライバーはアレックス・フィオリオ! かつての名手ももう51歳です。どこから引っ張り出してきたんでしょうか、この大ベテランを? シュコダ・イタリアのマネージャーをやっていたはずですが、なにかあったのでしょうか!

300馬力のFRになると、さすがにトリッキーな動きですが、ドライビングは愉しそう! トヨタも来年帰ってきますし、あとは巨人アバルトの復活だけです! 撤退から25年近くになります。アバルトの咆哮を聞いているとなんだか胸が熱くなってくるようです。

原点回帰の『ジムカーナ9』

YouTubeの再生回数でモンスターな成功作となっている、ケン・ブロックのジムカーナ・シリーズ、その最新作『ジムカーナ9』が公開されました。

映画のスタントシーンのようなシリーズが続いていましたが、今回はきっちりドライビングテクニックを見せる仕上がりになっています。
160915_gym9.jpg
今回のマシンは世界ラリークロス選手権に挑戦しているフォーカスRS RX。あわやラリークロス・シーズンを終えるところだったという、防波堤のふちギリギリの走りにも注目であります。

スマホサイトの動画コーナーにリンクを貼っておきました。フィアット124アバルトR−GTの初テスト走行とあわせてぜひチェックしてみてください。

それにしても、ブロックはラリーカーをスニーカーのように手軽に扱っています! 

トヨタはこのまま突き進むのか。

さてさて、ここのところいろいろ見えてこない2017年の選手権のことを書いてきたのですが、どうしてもこの話題に触れざるを得ません。もっともいま一番気になっていること、それはトヨタのターマックテストがいまだ始まっていないことです。
160914_toyota2017.jpg
フォルクスワーゲン、シトロエン、そしてヒュンダイが最終スペックのテストをバリバリと開始しようとしているのだから、トヨタだってそろそろコルシカあたりで本格的なテストを始めてもよさそうなのですが・・・。

これまで行われたグラベルでのテストの動画をみるかぎり、マキネン・レーシングのクルマ作りはトップレベルのマシンと比べてまだまだ学ぶべきところが多いように感じられますが、世界ラリー選手権という非常に高いレベルでの戦いにおいて、この差は技術の蓄積のない新興チームが短時間で埋められるような類いのものではないように思います。

問題は、一度、ホモロゲーションをとってしまうと、あと戻りは不可能となることです。来季以降、ますますジョーカーは限られたものになるだけに一度デビューすれば大がかりな変更は許されず、3年間は逆襲のチャンスがほとんどなくなってしまいます。

このままモンテカルロにむけて突き進むか、あるいはさらに時間をかけて学ぶことを選ぶか。いずれにしてもトヨタには勇気のいる決断が必要となりそうな気がします。

いろいろ気になる2017年。

チャイナの中止で2017年カレンダーの行方が混とんとしている情報を先週お伝えしたわけですが、先が見えてこないのはそれだけじゃありません。
160913_VW_sardegna.jpg
オジエを悩ませてきたスターティングオーダールール、チームの登録は2台なのか3台なのか、来年は旧スペックとなってしまう現行WRカーはどうなるのか、ジュニアWRCの行方、3月のWMSCで決定した共通エンジンをもつ新しいR4キット規定の詳細などなど、重要な問題が未解決のまま山積しております。

スターティングオーダーについては、すべてのドライバー100%同じ条件で走らせることはそもそも不可能とは言うものの、そのさじ加減が問題となっているように思います。

最終日の争いを盛り上げたいというFIA意図は今年、たしかに叶えられたのかもしれませんが、オジエに重すぎるハンデを与えたことによって成し遂げられているわけで、それをスポーツとはいえないほどの理不尽な演出と考えるのか、それとも新しい勝者を生んだ画期的な取り組みと考えるかで判断は分かれるかもしれません。

ヘイデン・パッドンが言うように、かつてのスターティングオーダーで問題となったドライバーやチームの出走順をめぐる「戦略」はすでにスプリットタイムの表示などドライバーへの情報伝達を禁止しているので、かなり抑止できるのでは? 

せっかくの勝利を否定するような発言がでたりするんだもの、誰にとっても不満がないような、勝者がわかりやすいルールに変わってほしいものです。パッドンの走行順への考えはかなりいいアイディアだと思うなあ。

本土か島か、それが問題だ。

本土に帰るはずが、またもや来季もサルディニア島で開催されるかもしれないというWRCのイタリア・ラウンド。どうやら次期WRC開催が有力視されていたラリー・ディ・サンマリノが8月末にイタリア中部を襲った地震による影響を受けているのではないかとの情報です。
160908_Neuville06IT16rk-265.jpg
震源地となったペルージャ県のノルチャからサンマリノまでは直線距離で150kmほど。大きく揺れた村々ではいくつも古い石造りの建物などが倒壊、古い町並みが見るも無惨な姿になっています。地震から2週間以上が経った昨日も、がれきのなかから生きた猫が見つかったというニュースが流れたくらいですから、復興は一筋縄ではいかないように思います。

しかし、サンマリノのルートが本当に地震で影響を受けていて、地元自治体が予算を削ってしまって招致が困難になったのかどうかは定かではありませんし、本土の開催候補地がほかにもあるのかもしれません。しかし、一つ確かなことは100%ないと見られていたサルディニアが新しい予算案を用意して、島での継続にムクムク動きだしたということ。

大地震が島に戻すための言い訳に使われるとは言わないけど、開催地をめぐってこの10年間繰り広げられてきたどんでん返しのドラマを思い返すに、いろいろあったけど今回もサルディニアに決着しそうな気が・・・。

それにしても、新しいシーズンにむけて、まだまだいろんなことが見えてきませんねえ。

じわじわと元気になってきたルフェーブル。

ドイツのクラッシュで、椎骨を1か所、肋骨が5か所骨折していたことがしばらくして発覚したルフェーブル。やはりというかコルシカの参戦は断念することになりました。

事故の翌日、ルフェーブルはそうなることをすでに覚悟していたようですが、せっかくシトロエンでの母国戦だっただけにやはり残念でしょうね。
160908_moreau_lefebvre.jpg
ルフェーブルはパリの病院に転院したあと、やっと今月帰宅が許可されたようで、松葉杖もなく、すたすたと歩いていると元気な様子をアピール、なんとか今季のうちに復帰したいという意気込みを語っていますが、まあここは焦らずに来シーズンをじっくり待ってもらいたいものです。

ブリーンとルフェーブルのどちらが来季のドライバーとしてチームに残るか、当時者じゃなくとも気になるところですが、二人ともすでに2017年のC3 WRCをテストした経験があるので、いまは焦る必要はないと思うし、来年もある程度の参戦は約束されているんじゃないかな。

やはり来年のシートがあるのかどうかというのは、ニューマシンをテストさせてもらっているかどうかが一つの重大な指標になると思う。

その証拠にヒュンダイではパッドンとソルドの契約組はテストをしているけど、ヌーヴィルはテストしていませんからね。カミリーとタナクは新しいフィエスタをドライブしているので、二人は一応、Mスポーツと契約があるのかな・・・タナクはトヨタの噂もあったけど、そっちのセンはないのかな。

そして、その理屈で言うなら、2017フィエスタをテストしてないマッズもちょい気になるところです。


アクロポリスが4年ぶり復帰の可能性?

火曜日のブログで開幕3戦以降の来季カレンダーがなかなか決まらないという現状をお伝えしましたが、いくつかの新しい動きがあったようなので、今日はそちらから。

なんと、ギリシャが4年ぶりにWRCに復帰する可能性があるとの情報ですっ! 
160908_acropolis.jpg

ギリシャ・モータースポーツ連盟が2017年のカムバックを目指してFIAに働きかけてきたわけですが、Chipta という大手スナック菓子メーカーとエーゲ海のフェリー会社シージェット、さらにはラミア市の支援を確保、WRC復帰に大きく前進! すでにFIAから内諾を得ているとのギリシャ国内での報道もあるようです。

ギリシャ文字の翻訳もできないし、これらの報道が正確かどうかもちょっと判断できないのですが、もし事実だとすれば、もっともピンチになるのはポーランドかもしれません。

今年で3年契約が終了するポーランドは、イエローカードが出されていた安全面についても一定の改善があったことをFIAも評価していたわけですが、やはりクビサが抜けたことによってイベントの魅力が半減しちゃった感があるような・・・。

そして、なんとなんと、イタリアは本土へ復帰という情報でしたが、サルディニアとの2年契約案が急浮上! やはり、この国の政治はわからないことだらけです!

ポロ2017、どんな最終形態になったのか!

ポロ2017の完成を待たずにマクラーレンに移籍したと見られていたヨースト・カピトが、ラリー・ドイッチュランドの前、風洞テストに入るポロの最終形態(!)をチラ見できたと明かしました。
160906_VW2017.jpg
いったいどんな形だったのかな? チームを離れるとわかっていて、思いを注ぎ込んできたマシンだけに、その姿をどんな思いで見つめたんでしょうね。それとともに気になるのは「心底素晴らしい」という彼の言葉です。おそらく、これまで僕らが知っているゼブラカラーのテストカーとはエアロなどの形が劇的に変わっているのでは?

VWはホモロゲーションにむけた最終スペックを決めるためのマシンを「ゼブラ2」と呼んできましたが、もうすぐテストを開始するのかな? それとも、ここはライバルに隠すために、ぎりぎりまで極秘でテストをするのでしょうか・・・・。

いずれにしても、カピトを感激させたというその最終形態、早く見たいものですね!

パズルを組み直す必要がある。

チャイナの中止で2017年のカレンダー決定に遅れが生じているというニュースを先週末お伝えしました。9月末に予定されていた来季のカレンダーの発表についてはとりあえずモンテ、スウェーデン、メキシコという開幕からの3戦のみが第一弾として発表されるという異例の事態になりそうです。
160905_depping_VW.jpg
チームのコンテナはすでに中国に輸送されていたため、多大な損害を被ることになったため、来年こそ開催される保証があるのかどうか、それともさらに一年様子を見るべきなのかFIAも慎重になっているのでしょう。けれど、FIAのマホネンは「パズルを組み直す必要がある」と言っており、どうやら問題になっているのは、チャイナだけじゃなさそう。

来季のカレンダーについては、終盤戦にターマックラウンドが集中していることが大きな検討材料となっているため、メキシコとアルゼンチンの間のちょっと長いインターバルにターマックラウンドを押し込みたい算段があるようなのですが、ここにはいずれにしてもロジスティクス的にはチャイナは無理なので以前にも5月に開催されていたツール・ド・コルスを入れればピタリと収まるんじゃないのと思うのですが、島の開催はそれはそれで、さまざまな問題を抱えてるようで、今年の結果次第ということなんでしょうか・・・。

もう一つ、収まりどころが悪いパズルはイタリア・ラウンドなのかもしれません。フランスと異なり、イタリアの場合は、イタリア自動車クラブ(ACI)会長のアンジェロ・スティッキ・ダミアーニが最近、90%の確率で来季もイタリアでWRCが開催されると発言しているようにほぼカレンダー入りは確実だと見られているわけですが、問題はサルディニアを離れて本土でのイタリア・ラウンドの開催となったときに、ターマックなのかグラベルのどちらになるのかということです。

現状でもドイツ、フランス、中国、スペインの4戦があるため、ただでさえターマックが多いんじゃないかという批判があるわけですから、どこかパズルのピースが欠けないかぎり、イタリアがサンレモの裏山のターマックに戻ることは厳しいのかな・・・。僕としては美しい景色が広がる秋のトスカーナのグラベルに帰ってきてほしいけどね。

C3 WRCがウルトラ速い!

驚いた。速い。シトロエンC3 WRCがとにかく速い。
160902_C3_test6.jpg
4日間にわたるターマックテストを行ったシトロエン。リグリア地方のサンレモ・ラリーのコースにも近いエリアで行われたテストの模様については、すでに何本かの動画がYoutubeに公開されているので、ご覧になった人も多いだろうが、とにかくしびれるくらい速い。

C3はグラベルでもポロ2017を上回っているんじゃないかと思わせるくらい素晴らしいターンインをみせたが、ターマックのコーナリングもウルトラクイックでスムースだ。まるでバイクのように吹け上げる、レスポンスのいいニューエンジンのサウンドも実に素晴らしい! 低回転域からトルクも出ているのだろう、恐ろしい勢いでC3は加速する。

このマシンが来年のモンテカルロでヨーイドンでスペシャルステージをスタートしたときに、ポロに比べてどれくらいの速さをみせるのか断定はしにくいが、1年間の参戦休止が無駄ではなかったことが結果として出るような予感がある。

ティエリー・ヌーヴィルがヒュンダイを離脱するかもしれないという噂がある。i20がやっとポロに並ぶ速さを備えつつあるというのに、なんとももったいないと思ってきたが、このC3ならわからない。この走りを観て、ティエリーは古巣のシトロエンを選ぶような気がした。

北海道、東北に大雨・・・。

台風10号によって北海道、東北地方のかなりのエリアにおいて雨による深刻な被害がでています。被災されたみなさんにお見舞いを申し上げます。ラリー北海道が開催される十勝エリアでも林道へのダメージが懸念されているという心配な情報も入ってきました。
hokkaido.jpg
ラリー北海道までは3週間。道路の修理は生活道路が優先になるため、ラリーが行われる林道に被害があれば、ルートの変更も余儀なくされるかもしれませんが、それより地元と一体になってなりたっているイベントだけにどこまで住民の人たちの生活に影響があったのかも気になるところです。

チャイナも7月に北京近郊に降った豪雨によってかなりにルートが深刻なダメージを負ったために主催者は中止に追い込まれました。もっともチャイナの場合は、天災だけが原因になったのではないとの噂も囁かれているようですが。

チャイナのメインスポンサーになるはずだったインターネットテレビ会社のLeTV(楽視)がスポンサーを下りたため、資金難に陥った主催者にとっては皮肉なことに豪雨が中止のいい言い訳になったのだとか・・・。

それにしても異常気象によってラリーの開催が困難になるケースが増えているように思います。昨年のコルシカも洪水でステージが中止になったし、今年のERCリエパーヤは雪がないために秋に開催が移され、スウェーデンも多くのステージがキャンセルに追い込まれました。いずれのイベントも主催者たちは祈るような気持ちでしょうね。

カテゴリ別ニュース

最近のブログ

アーカイブ