やっぱりラリーが好きなのだっ!〜編集代表のラリーな日々ブログ〜

2016年7月アーカイブ

マクレーでもなしえなかった勝利。

あのコリン・マクレーでもなしえなかったラリー・フィンランドの優勝にクリス・ミークが王手を掛けました。もちろん勝てば、英国からは初の快挙となります。
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ラリー前にミークを挑発するような発言をしていたヨースト・カピトも彼の速さを祝福しています。そういえばカピトは昨年のフィンランドでクラッシュ、シトロエンから最後通牒を言い渡されそうになっていたミークを擁護していましたよね。

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とくにすごかったのはフライングフィンの聖地オウニンポウヤ。昨年、ラトバラが叩きだした平均速度132.18km/hのレコードを彼は2回目に破り、132.52km/hという新記録を達成しております! 今年はリバースなので厳密に言えば新記録じゃないのだろうけど、まさしくフライングフィンの誇りを木っ端微塵に打ち砕く衝撃的な速さでした。

これまで65回の開催のうち北欧ドライバー以外で優勝しているのは、サインツ、オリオール、マルティン、ローブ、オジエのわずか5人。ミークは6人目になれるでしょうか。残り33kmですから、オウニンポウヤ一回分で41秒のマージンです。いまの彼ならR5マシンに乗り換えても優勝は可能でしょう!

アジャクシオにピカチュー。

新宿御苑にピカチューの巣があるとの情報ですが、ラリーファンのみなさまに、レアキャラ出没情報を! なんと、アジャクシオのナポレオン通りにピカチュー絶賛出没中です! しかも、ニャースも登場です!
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この秋、ラリー観戦に行くなら、ぜったいツール・ド・コルスですよ!

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そうそう、今週末、ラリー・フィンランドが行われるユヴァスキラにも、ジグリーパフとビードリルなど多数がいました。世界最速ステージとして名高いオウニンポウヤにはさすがに何も見つかりませんでした。伝説のレアキャラとか出てもいいのにねえ。

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チュリニ峠の頂上にも、どこにでも現れるズバットが生息してました!

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ケニアのナイロビにもポケモン上陸! ケニアッタ・カンファレンスセンター周辺にコラッタが増殖中です!

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陸別も僕がチェックしたときはズバットだけでしたけど、山の中はヒグマにご注意を!

昭和のガレージ、「ラウンジカローラ」

トヨタからカローラ50周年の記念車が発売されましたが、先日イオンスタイル湘南茅ヶ崎店内に、カローラ横浜が「ラウンジカローラ」というちょっと変わったショールームを開設したそうです。

イメージは「昭和のガレージ」だそうです。現行の「ハチロク」ではなく、ピカピカのAE86レビンが展示されていました。
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レビンがオトナの趣味のアイテムとして活躍していた時代って感じです。

昔は手軽なモータースポーツベース車として大活躍したレビンでしたが、今のカローラにもそんなふうに使える(かもしれない)ベース車があったらいいのに、とちょっと残念。とはいえ、ヴィッツに「レビン」とか付けられても困るけど。

ラウンジカローラの飾りに使われたスナップオンの工具セットだけでも数十万と、それらしくするのにはお金掛けたようです。タイヤホイールセットや、壁に掛けたMOMOのステアリングなど、妙に凝ってます。
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ちなみにこちらがカローラ50周年記念車のカローラアクシオ。初代の赤シートを再現したそうです。白いボディに真っ赤なシートが美しいですよ!

ヤリス順調。

トヨタからヤリスWRCの開発に関する最新の状況に関するリリースが公開されました。TMR製ヤリスWRCの写真や動画が公式に発表されるのはこれが初めてです!
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チーム勢揃い!

これまでさまざまな憶測が語られるなか、沈黙を守ってきたマキネンも今回の公式リリースを通じて、2017年シーズンに万全の体制で臨むために「チームの一人ひとりが妥協することなくベストを尽くしている」と語っています。

新チームだけになにとも比較できないだけに本当は孤独な開発作業のはずだけど、「これまでのところ(ヤリスの開発は)大きな問題もなく進められており、チームの励みになっている」と、チーフ・エンジニアのトム・フォウラーもなかなか順調に仕上がりつつあると自信に満ちた発言です。

もちろんまだまだ最終スペックを決める段階ではまだありませんが、これからの2カ月が大きなヤマになるはず。そして、すべてのパフォーマンスが明らかになるのは、あとわずか半年先です! がんばってもらいたいものですねえ。

2017年のために2016年を犠牲にするVW。

VWがポロR WRC2017の開発が最終フェーズに入ったと宣言しました。FXによれば、開発のためのテストの日数が限られているため、イベントのプレテストまで2017年のニューマシンのために使っているのだとか。
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道理でポーランドではヤリ-マティが波に乗れなかったわけですが、すでにVW は両選手権ともぶっちぎっており、マニュファクチャラー選手権はドイツで決まっちゃうような勢いですから、イベントの今年のイベントの結果に多少の犠牲が出ても、2017年のことに集中したいというわけです。未知なる巨人トヨタも登場するし、ヒュンダイも今以上に強敵になるとVWは予想しているのでしょう。

こちらFXが説明するこれからのスケジュール。8月には空力やサスペンションをアップデートしたテストカー「ゼブラ2」によるテストが開始されることになっています。

2016年8月 最終スペックによるテスト
2016年9月 最終スペックの仕様決定
2016年11月1日ホモロゲーション申請
2016年11月中 FIAによる査察
2016年12月 モンテカルロに向けた車両製作開始
2017年1月1日ホモロゲーション

モンテカルロまで半年しかないわけですが、クルマの開発はホモロゲーションがあるので、VWだけじゃなくてどのメーカーにとってもけっこうタイトなスケジュールなのがわかっていただけるかと思います。

こんな気ぜわしい状況のなか、トヨタの複雑なリヤウィングにNGが出たという残念なニュース!せっかくアグレッシブなデザインで期待していたのに・・・。まあ、ウィングなんて2カ月もあればなんとでもなるものでしょうけど、開発作業がいよいよクライマックスを迎えるこの時期にテクニカルディレクターが辞任するなど、なんとも不安にさせるニュースが続きます。

マキネンはあれこれ不安にさせる噂話を書き立てるメディアに対して「滑稽だ」と一笑に付してますが、誤解があまり広まらないよう世界が知りたいことをきっちりと説明して伝える広報体制もチームには必要だと思う。

来年はタイヤのマネージメント選手権?

DMACKマネージング・ディレクター、ディック・コーマックが、新しいWRカーはいくら380馬力であっても、そう速く走れないと指摘しています。せっかくパワーがあって、かえってタイヤの摩耗が進み、タイヤの使用本数の制約がある以上、ドライバーは飛ばしたくても飛ばすことはできない可能性があるというわけです。

しかも、コーマックによればFIAは一日にタイヤ1セットしか使えないレギュレーションを決めようとしているみたい! んな、アホな!
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WRCスポーティングレギュレーションではこれまで、年々、タイヤの使用本数を減らしてきたけど、来年はさすがに増やすと思っていました。VW、シトロエン、トヨタ、ヒュンダイなど各チームだって2017WRカーのテストを始めていますが、みんなタイヤの摩耗なんか気にしないで、まるでステージごとにタイヤ交換する勢いでガンガン走っているし、あの迫力ある走りには、やっぱり相当数のタイヤは当然必要でしょ?

もし、一日にタイヤ1セットしか使えないレギュレーションが決まるなら、きっとカチカチに硬いコンパウンドで強化したブロックへの設計変更が必要になるでしょう。けど、摩耗しないタイヤってことは、グリップがないわけでしょ。380馬力のマシンにグリップがないタイヤだとかなり危険では?

コーマックの言うとおり、6000万円オーバーという高いクルマを走らせて、コスト削減のために1本3万のタイヤをケチるなんて、どんな世界選手権ですか?

ヴァシリー、一年前の続きを再開。

一年前、ラリー・エストニアに出場する直前に一般道の交通事故で両足を骨折して休養していたヴァシリー・グリアジンが、やっとERCに帰ってきました。

小さなイベントでリハビリを兼ねて走ってことはありましたが、なにより去年走りたかったエストニアで競技に復帰することだけを願ってきたリハビリを続けてきたそうです。
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左がヴァシリー、右がニコライ。仲のいい兄弟です。

兄のヴァシリーは、2014年に20歳のときにラトビアで行われたERCラリー・リエパーヤでエサペッカ・ラッピを抑える速さをみせてコリン・マクレー・トロフィーを受賞、その速さが世界に知られました。

グリアジンはロシア生まれでロシア育ちですけど、競技ライセンスをラトビアで取得して17歳からラトビアをはじめ、エストニアやロシアのラリーで鍛えられてきました。

そういえば、エストニアで総合優勝した22歳のシルマチスもラトビア出身ですよね。去年のいまごろまではヴァシリーのほうが有名でしたが、あれよあれよという間にかなり差を付けられちゃいましたね。一年経って19歳の弟のニコライもERCジュニアでそこそこ活躍し始めているし(今回もジュニア2位の目前で横転しちゃったけど)、ラトビアにはいいドライバーが育ちつつありますね。

「一年前の続きをやっと始めることができたことがうれしい」と語っていた兄ヴァシリー。まだ再手術をしなければならないそうですし、エストニアでも完調とはいいがたい結果でしたが、ライバル、そして弟の活躍がいい刺激になったでしょう。またふたたび素晴らしい走りをみせてほしいものです! 

シルマチス、恐ろしい22歳。

アクロポリスでセンセーショナルな優勝を飾ったシルマチスが、超高速バトルのエストニアでも優勝を飾りました! ルクヤヌクのクラッシュに助けられたとはいえ、堂々のERC 2勝目ですよ。

これまでコンビを組んできたアートゥルス・シュミンスがラリーウィークになって突然の発熱のためにダウン、2014年までコドライバーを務めてきたマーリス・クルーシュが急遽、ペースノートを読むことになったのです。そんなハプニングなんてものともせずに優勝しちゃうなんてねえ。
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シルマチスと異なるデザインの自前のレーシングスーツでポディウムにたったクルーシュ。なんだかほほえましいシーンですが、それにしてもシルマチスはR5マシンで走った3戦目のERCで早くも2勝です。世界は広いぜ。恐ろしい22歳です。

そういえば、2年前、20歳のときにラリー・リエパーヤではプジョー208 R2でS2000相手にトップ3のタイムを出しちゃうなど、早くからその速さが注目されていたけど、やっぱり速いヤツは何乗っても速い。これで経験を積んでいったときにどれだけ速くなるか本当に楽しみです。

あ、そうそう、クラッシュで優勝を失ったルクヤヌクは「ぜんぜんクレージーな走りじゃなかった」と述べていましたが、どっこいクラッシュ直前の超いかれたハイスピードジャンプをスマホサイトの動画コーナーに公開したのでチェックしてみてください! 
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まあ、たしかに彼の言うとおり、ステアリングアームが着地で壊れてなければ、コーナーはクリアできていたようにも見えますが・・・それにしてもクラッシュしても人気者!

大輝と貴元、横転のERCデビュー。

昨夜はエストニアのライブリザルトに釘付けだった。大輝と貴元がヨーロッパに挑戦してからほぼ一年、その成長を楽しみにしていたファンも多かったはずだが、二人とも横転という残念なERCデビューとなった。
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地元のトップ3に入るようなドライバーと6位争いをしていた大輝、つるつるの石畳のミスで38位と出遅れながらもオープニングSSで13位まで順位を戻した貴元。エストニアのステージはラインに乗っているかぎりは流れるようにスムースだけど、ラインを少しでも外すと恐いことが待っている。そんなやばさも思い知ることになっただろう。

横転という結果を惜しんでも仕方ないが、しかし、おそらくエストニアは二人が経験しているフィンランドやラトビアをさらに上回る、さらにウルトラハイスピードのステージだったはず。そんなステージで地元の猛者たちを相手によくあそこまで踏んだように思う。

次はラリー・フィンランド、こちらのほうが今の二人にはリズムをとりやすいだろうか。めげずに攻めてもらいたいものだ。

ソルド、お大事に!

ソルド、やっぱりフィンランドは無理だったのね。それにしてもマドリードの主治医が彼に欠場を進めたというニュースを公開した途端、ヒュンダイから公式発表のリリースがっ!
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「これでまたフィンランドでクラッシュしたら、歩けなくなるよ」って、やっぱり医者の言うことはごもっともですよ。

それにしてもスペインの情報網は正確ですね。すごいなと関心しました。ということは、ソルドがヒュンダイと2年契約を結んだという情報も?

ラトバラも、ミッコも、おまけにソルドもダメとなると、トヨタはいよいよティエリーを口説き落とすしかないなーなんて思っていたところ、なんとマキネンが「ティエリーが候補の一人だ」とフィンランド・メディアにむけて発言したみたい! やはり!

いや、しかし、さ。ここは「候補の一人」とかいうはっきりしない言い方じゃなくて「ティエリー、君しかいないぜ」と言ってほしかった! なにせ、ワールドチャンピオンを獲るためにはティエリーのような勝てるドライバーが絶対に必要! そして、勝てるドライバーがいれば、あとは勝てるマシンを作るだけです! ここは全力で獲得に動いてほしい! ・・・あとはティエリーが契約更新してないことを願うだけでありますが。

来年もフォルクスワーゲンをドライブすると地元フィンランド・メディアに明かしたラトバラ。どうやら噂されていたとおり、2017年+2年のオプションのようです。
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今年いっぱいで契約が切れるラトバラについて、数日前にトヨタのトミ・マキネンが「彼がフリーなら興味をもつのは当然だ」と語ったのをうけて、さっそく地元メディアがラトバラに直撃したというわけです。

それにしても、マキネンはヒルボネン、ラトバラ、ハンニネン、ラッピというフィンランド人ドライバーばかりをトヨタの候補に挙げるのはなぜ? オジエをはじめ、ほとんどのトップドライバーの来年のシートが決まっているとはいえ、優勝経験者のティエリーやソルドもまだ来年の契約はこれからなのに(ヒュンダイが簡単に手放さないとは思いますが)、チーム・フィンランドを結成するつもりなんですかねえ?

ミッコがマキネンの申し出にNOと言った理由もよくわからないけど、本当に燃え尽きてしまったのかな? ミッコがトヨタとともに帰ってくるのを待っていたファンは多かったはず・・・・ちょっと残念だよね。

おお少年、わかっとるね、チミ。

ちょっとした打ち合わせでイラストレーターの古岡修一さんの家を訪ねて、しばし、サファリ・レオーネを前にとりとめもないラリー話。そしたら、たまたま自転車で通りがかった少年が、「あ、レオーネだ」と興奮して叫んで急ブレーキ。
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僕ら二人も、びっくりです! まさかこんな子どもが30年も前のクルマを知ってるなんて! 「かっこいいですね!」って褒められて、おじさん、飛び上がるくらいうれしかったよ!

それにしても、一緒にいた塾帰りの友達たちがちょっと引くくらい、「レオーネ、レオーネ!」って、あまりの興奮ぶり。さらに、「君がいま話しているその人は、自動車のすごい有名な絵を描くおじさんなんだよ」、って教えてあげたら、偶然の出会いにさらに大興奮であります!

好きな車は、「いすゞのピアッツァ!」と目を輝かせた少年。近所の古い貴重なクルマが集まる修理工場を覗くのが大好きなんですって。こんな少年まだいるんですねえ。

「サファリ・ラリーは知りませんでした」と、かわいらしいことを言うので、とっておきの激しい動画をスマホでたっぷりと見せて、すこし洗脳しておきました! 将来が楽しみであります!


ソルド骨折、フィンランド出場は難しい?

ソルドが金曜日のテストで大きなクラッシュに見舞われて椎骨を骨折したようです。椎骨とは背骨のことですが、すでに翌日にはコルセットをして退院しているので、あまりひどい状態ではなさそうです。
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ラリーではよくある圧迫骨折のようなものでしょうか。

圧迫骨折はそれほど重い骨折ではないとはいえ、復帰には1カ月ほどかかっているようです。ポルトガルのファファのジャンプで背骨を圧迫骨折をしたマシエイ・スチェパニアクはポーランドで復帰するのに40日、アレクセイ・ルクヤヌクのコドライバーを務めるアレクセイ・アルノトフはサーキット・オブ・アイルランドのテストで骨折、復帰に60日かかっています。

ちなみに2014年のラリー・フィンランドでジャンプの着地でクラッシュした際に圧迫骨折したクレイグ・ブリーンは、主治医がOKしたため2週間後のラリー・ドイッチュランドに出場しようとしましたがFIAからストップがかかっています。

ソルドもフィンランドのスタートまで2週間あまり・・・ブリーンの例からすると、ぎりぎり?

ゾートス辞任。

マイケル・ゾートスがトヨタのWRCプロジェクトから離脱するという。なにが起きたのかわからないが、テクニカル・ディレクターがテストカーが走り始めた途端にチームを離れるということはきわめて異常な事態だ。
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そもそもトップのワークスチームでチャンピオンマシンを作った経験と実績がないゾートスの起用に関しては疑問視する声があったことはたしかだった。しかし、チーム代表のトミ・マキネンが彼のエンジニアとしての才能にほれこみ、その抜擢にはそれなりの確信と期待があったことは間違いない。それにしてもなぜ突然の辞任。なにか技術的な問題があったのだろうか。

カムフラージュされたヤリスWRCのテストカーは、スペイン、フィンランドに続いてポルトガルでも忙しく走っている。その動画を改めて見直してみた。いまの時点でこのマシンがどれほど速いかどうかは比較の対象がないためわからないが、エンジン音の違いから複数のエンジンおよび排気系が試されているらしいということと、ステアリングの反応がやや鈍く、まだまだ曲がりにくいクルマであることは見てとれる。

ヤリスの開発はまだまだ始まったばかりだ。2017年のデビューまでに残された時間は少ないが、さまざまな変化が、チームをさらに力強く前進させるためのターニングポイントになることを信じたい。

イギリスに「藤原とうふ店」のGT86が登場!

トヨタUKが『頭文字D』に登場する藤原とうふ店のパンダ・トレノをイメージしたGT86イニシャルD コンセプトを発表しました。
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講談社の『ヤングマガジン』に掲載された『頭文字D』によってAE86の人気が再燃したのは20年ほど前でしょうか。軽量コンパクトなスポーツカーを現代に蘇らせるのに、トヨタは86というネーミングまで復活させたし、マンガの力ってすごいですよね。

主人公はたしかその後、スバル・インプレッサに乗り換えて(というあたりで僕の記憶は途絶えているのですが)、いつかスバルとともにWRCに参戦してくれるんじゃないか、なんてストーリーの展開を期待していたんですけど、峠を卒業しないうちにスバルがWRCから撤退することになったりして・・・主人公がその後どんな運命を歩んだのか、トヨタも参戦するし、第2章の連載再開を期待したいものです。

トヨタUKによればコンセプトカーは、カッティングシートによってパンダ・カラーを再現しただけではなく、特注された黒のRSワタナベ製「F8」ホイール、TRDサスペンション、カーボン製ボンネット、フジツボ・マフラー、クスコ製ストラットタワーバーなどを装着して、あの伝説の86を再現したそうです。
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原作のバトル・シーンに新しい86が加わったコラージュも制作されました。ここは榛名山かな? そのうち海外から走り屋の人たちが聖地巡礼に来たりして!

このGT86 イニシャルD コンセプトは今年の夏にイギリスで行われる様々なモータースポーツイベントの会場に展示されるそうです。

ポーランドの注目の一つはスペシャルステージのアベレージ歴代最速記録が更新されるかどうかだったのですが、今回はいまひとつ。2年前にアンドレアス・ミケルセンが歴代最速記録136.88km/hを出したビエリチュキのステージは、今年はタナクが記録した117.5km/hにとどまりました。
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調べてみたら、2014年とはかなりルートが変わり、ジャンクションやストップ・アンド・ゴーのセクションが増えて、すっかりキャラクターが変わっていましたね。そして映像を見ればわかるように、あちこちのステージには干し草を丸めたストローベイルがおかれてシケインが作られていましたし、やはりラリー全体で速度を抑えるための取り組みがあったように思います。

なんといってもポーランドは昨年、観客のコントロールが不能だったためにステージをキャンセルするなどセーフティの甘さが問題になっていました。FIAは今年、アルゼンチンとともにポーランドにイエローカードを出して、改善がなければカレンダーから外す可能性があると警告してきました。

ちなみに去年のイベント最高速度はSS2グルクウォ・ステージの131.10km/h、今年はSS8シフィエンタイノの128.10km/hが最速、と思ったら、ルビエボのステージで行われたシェイクダウンでオジエがこっそり叩き出した134.58km/hが今回の隠れ最速記録でした!

「次は君の番だよ」

ゴール後になにが起きたのか聞かれ、悔しさに声をつまらせたタナク。まさか、キャリア初優勝を目前にしてパンクですべてを失うなんて!
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SS20のバラノボのステージでは、タナクだけでなく、WRC2でもラッピがパンクで首位を失っています。この泥の海と化したステージで深い轍のなかに石が転がっていれば誰だって避けることはできなかったでしょう。

晴れていればそのまま逃げられたのかもしれないね、なんて言っても仕方ないけど、一年前のサルディニアのヘイデンだってそうだったし、アンドレアスだってやはり悔し涙で強くなったし。このスピードを見せたことがいつかきっと本当の勝利につながるはずです。

ゴール後、その場にいたたまれずにクルマの側を離れて泣いていたタナク。真っ先に駆け寄ったオジエが健闘を讃えるように肩を叩いてきっと耳元で囁いたと思うよ、「次は君の番だよ」

くぅー、オジエにしか言えないよね、そんなかっこいいセリフ! 僕の想像だけどさ。まあ、オジエに認められたんだもの、タナクの速さもホンモノだよね!

タナクが勝てば大事件!

オット・タナクがポーランドでいいタイムを出すのは昨年の例からも予想されていましたが、まさか5つものベストタイムを奪って、ラリーをリードして初日を終えるなんて!
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たしかにポルトガルで新しいグラベルタイヤが投入されて以降、DMACKは明らかに変わったように思います。シェイクダウンでは3戦連続して2回目の走行まですべてトップタイムを奪っていますし、暑くなければサルディニアだってもっといい結果になっていたのかもしれません。

しかし、多少なりとはDMACKの耐久性がアップしたとはいえ、2回目の走行でクリーンな路面になるとタイヤの摩耗が加速するなど、やはりいくつかの条件が重なったときでなければ好タイムが出ないというスイートスポットの狭さが弱点であるような気がします。

今回のポーランドではそもそも砂質の柔らかい路面が小雨が降ってさらに柔らかくなったこと、さらには30km以上の長いステージがないこともDMACKにとっていい方に働いているのでしょう。高速ステージが彼に合っているのでしょうし、なによりも8番手という恵まれた出走順も味方しているのかもしれません。それでは明日の二日目は?

今夜から明日にかけて雨は降りそうにありません。午後2時という、ちょうどラリー最長のスタンチキの2回目のステージが行われる時間帯に最高気温は31度が予想されていますが、ここが勝負どころかな?

タナクは去年も39kmの2回目のスタンチキでタイヤを摩耗させて首位を失っています(ミシュランだけどね)。今年は25kmとすこしだけ短くなったことが、彼にとって有利に働いてくれることを願うばかりです。

タナクが勝てば59戦目にして初優勝、DMACKは2011年のデビュー以来初優勝、Mスポーツにとっては2012年のGB以来の49戦ぶり優勝(ワークスじゃないけど、かたいこと言いっこなしで!)。年間で6人の勝者が誕生するのは2003年以来13年ぶりの大事件です!

・・・・ところで、オジエが未勝利となればスウェーデン以来140日勝てないことになります。こちらのほうが大事件か?

パパになったオジエにお祝い。

パパになったオジエ、チームはさっそくお子さんにニューマシンをプレゼントです。
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VWの4人目のオフィシャルドライバーが誕生というわけです!

それよりか、オジエにはもっと最高のプレゼントが。昨日まで週末は晴れマークが続いていたけれど、セレモニアル・スタートの時点で現地の予報をチェックしたら、朝に雨が降る確率が93%と表示されていました。いまは青空なのに! しかもかなりまとまった雨になるみたいです。パパになったオジエへのお祝いでしょうね!

それにしてもシェイクダウンを制したオジエの平均速度は134.58 km/h! やはりチャンピオンは速い! 最後に少し荒れたコンディションでこのタイムを更新しちゃうんだから。それとともにポーランドの高速ステージになってますますヒュンダイが強く印象づけられる走りをみせていることを注目です。雨になったら、ビエリチュキ・ステージの136.88kmの最速記録更新は難しいでしょうけど、この週末の高速バトルから目が離せそうにないですよっ!

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